Samsungは、3GAE(3nmクラスのGate-all-around-early)製造プロセスによる量産を今四半期中(すなわち数週間以内)に開始する予定であると発表した。この発表は、業界初の3nmクラスの製造技術であるだけでなく、全周ゲートFET(GAA FET)を使用する最初のノードであることも示している。
Samsung : Earnings Release Q1 2022 (PDF)
Samsungは、声明の中で「世界初のGAA 3nmプロセスの量産化により、技術リーダーシップを強化する」と発表している。
Samsung Foundryの3GAEプロセス技術は、従来のGAAではなく同社が特許を取得したGAAのバリエーションで、Samsungが正式にはMBCFET(Multi-bridge channel Field-Effect Transistor)と呼ぶGAAトランジスタを使用する同社初のプロセスである。
従来のGAAはチャネルがナノワイヤ形状をしているため、チャネルが細く小さいために、より多くの電流を流すことが難しく、スタック数を増やすなどの工夫が必要とされていたが、MBCFETでは2次元ナノシートを並べるチャネル構造を採用しており、ゲートとチャネルの接触面積を増やし、電流の増大を実現しているという。
Samsungは、このプロセスによって30%の性能向上、50%の消費電力削減、最大80%のトランジスタ密度向上(ロジックとSRAMのトランジスタの混在を含む)が可能になると述べている。
Samsungの3GAEは、3nmクラスの「初期」製造技術であるため、主にSamsung LSI(Samsungのチップ開発部門)と、おそらくSamsung Foundryの初期の顧客の1つか2つが使用することになる。SamsungのLSIやSamsung Foundryの初期の顧客は、非常に大量のチップを製造する傾向があるため、3GAE技術は、その製品の歩留まりと性能が期待に沿うことを前提に、むしろ広く使用されることが予想されり・。
一般に、新しいトランジスタ構造への移行は、新しい製造プロセスや新しいツールを必要とするため、リスクが大きい。また、新しいノードによって導入される新しい配置方法、フロアプラン・ルール、配線ルールなど、新しい電子設計自動化(EDA)ソフトウェアで対応しなければならない課題も多くある。
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