Samsungは、2023年第2四半期の決算を発表したが、チップ需要の低迷とスマートフォン市場の落ち込みのダブルパンチによって、前年同期比95%の減益を報告した。
売上高は60兆100億ウォン(約6兆5,300億円)となり、前年同期比22%減、営業利益は6,700億ウォン(720億円)と、不振が続いている。
過剰供給がDRAMとRAM業界の値下げにつながり、さらにスマートフォンの需要も低迷するという、Samsungにとっては二重苦の状況が続いている。同社の不振は、2022年12月、今年の3月の四半期決算と続いている。
CNBCは、スマートフォンの販売台数について、2023年の世界出荷台数は3.2%減の11億7,000万台になると報じており、Galaxy S23ファミリーは数々の改良をもたらしたものの、これらの端末に対する需要はないと報じている。SamsungはGalaxy Z Fold 5とGalaxy Z Flip 5を発表したが、折りたたみ式スマートフォン市場は出荷台数が増加すると言われている。
世界的な景気後退と供給過多という、前四半期と同じ理由による業績不振のようだ。供給問題は、競合他社が減産しているときに増産して市場シェアを獲得しようとしたSamsung自身が引き起こしたものだ。
その結果、市場にはチップが溢れかえり、それを買い占めるだけの需要がなくなった。そのため、価格が下落せざるを得なかった。
Samsungは、利益が限られているにもかかわらず、まだ希望を持っており、2023年後半には状況が好転すると期待している。
Samsungは決算報告書の中で、「今年後半は世界的な需要が徐々に回復し、コンポーネント事業が牽引する形で収益が改善すると予想される」と述べている。「しかし、マクロ経済リスクが継続することが、こうした需要回復の課題となる可能性がある」とも警告している。
Samsungは、ChatGPTのような高度なAIモデルの駆動に必要なDRAMとRAMの需要が、継続的な売上を後押しすると見込んでいる。また、需要増のおかげで価格が大幅に下がることも防げた。
同社は今後、DDR5、LPDDR5x、HBMといった高付加価値製品に注力していく。また、インフラ、研究開発、パッケージング技術への投資も増加する見込みである。
また、Samsungは決算報告の一環として、同社は3つ目の3nm(GAA FET)チップの生産を開始したことも明らかにした。
同社は、「3nmプロセスの安定化により、第3のGAA製品の量産は順調に進んでおり、GAAでの量産経験をもとに、計画通り3nm向けの改良プロセスを開発している」としている。
Samsungは、Appleのサプライチェーン向けにメモリーやその他のコンポーネントを開発しているが、Appleシリコンそのものは製造していない。AppleのビジネスはSamsungにある程度の利益をもたらしているが、Samsungのミスによるコンポーネントの価格下落は、市場縮小の中でAppleに恩恵をもたらしている。
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