Intel Core i9-13900Kのサンプルと見られる製品を用いたベンチマークテスト動画が、中国の動画プラットフォーム「Bilibili」で公開された。動画で行われたテストでは、シングルスレッド・ワークロードで平均10%、マルチスレッド・ワークロードで35%と、前世代のAlder Lakeチップに比べて大幅な性能アップが見られるとのことだ。
BIOSの最適化が進んでいない状態でも最大35%の大幅性能向上を果たしたRaptor Lakeチップ
動画を公開したExtreme Player氏によると、今回入手したRaptor Lakeチップの仕様は以下の通りとのことだ。
- Pコア8個、Eコア16個の24コア構成
- ベースクロック3.0GHz
- 全Pコアのターボクロック5.5GHz
- ブーストモードで最大5.8GHzのパフォーマンスコア(P-core)を2つ搭載
このチップは、QS(Qualification Sample)版と言われており、以前のエンジニアリングサンプルに比べ、コンシューマ向けへの準備が大幅に進んでいることがわかる。
その他詳細は以下のCPU-Zの画像をご覧頂きたい。
CPU以外の搭載パーツは、Asus ROG Maximus Z690 Extreme、Nvidia GeForce RTX 3060 Ti、DDR5-6400 RAM、1TB NVMe SSDで、できるだけ同種の比較ができるように、両者は同じプラットフォームを共有している。
今回行われたベンチマークテストは複数あるが、その中でもハイライトとなる物は以下の通りだ。
ベンチマーク | Core i9-12900KF | Core i9-13900K-QS |
---|---|---|
CPU-Z bench 1T | 815.5 | 892.2 |
CPU-Z bench nT | 11,348 | 16,606 |
Geekbench 1T | 1,939 | 2,133 |
Geekbench nT | 19,304 | 23,701 |
Cinebench R23 1T | 1,940 | 2,206 |
Cinebench R23 nT | 26,939 | 37,385 |
3D Mark Timespy CPU | 20,121 | 23,839 |
PugetBench Premiere Pro | 1,003 | 1,213 |
Raptor Lakeチップは、現行モデルのAlder Lakeと比較して、シングルスレッド・ワークロードで平均10%、マルチスレッド・ワークロードで平均35%高速化されていることがわかる。
Extreme Player氏は、ゲーム性能の比較は行っていない。しかし、同氏は、メモリとストレージのサブシステムに関するいくつかのテストと、いくつかの電圧と電力の調査を実施した。メモリテストの中には、Raptor Lakeで書き込みテストが遅れているものもあったが、Extreme Player氏はこれをBIOSの最適化が進んでいないことに起因するものと考えているようである。
Extreme Player氏は、AsusのROG Maximus Z690 Extremeマザーボードと両CPUを使用してテストを行なった。AsusがRaptor Lake用にZ690のBIOSダウンロードを更新したことは、1週間ほど前に分かっていた。しかし、Asusの更新は、これらのBIOSに関して、新しい次世代BIOSは “ブート専用であり、パフォーマンステストには適していない”ということも判明している。ユーザーは「完全に機能する」BIOSファイルのために公式の第13世代Coreプロセッサーの発売を待つ必要がある。このことを考えると、Core i9-13900Kのテスト結果は、より注目すべきものと言えるだろう。
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