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Microsoftが示すストレージの未来形「Project Silica」はガラスプレートに1万年間のデータ保存を可能にする

動画や写真、文書などのデータをクラウドに保存するというと、巨大なデータセンターにあるサーバーのストレージ、現在であればHDDやSSD、テープドライブにデータを置くというのが一般的だ。しかし、将来的には、データの保存方法が大きく変わる可能性がある。

Microsoftは、同社の研究部門が取り組んでいる新たなデータ保存方法を研究するプロジェクト「Project Silica」について、新たな情報を発表した。このプロジェクトは、ガラス板を使って大量のデータを保存する未来のストレージの開発を目指す物だ。

前回のレポート(2022年6月)以来、Project Silicaにはいくつかの改良が加えられている。当時、メディアの寸法は同じように見えたが、その後、書き込みプロセスはスピードと耐久性のために改良された。また、音楽のアーカイブ目的からクラウドサーバーでのデータ保存に焦点が変わったようだ。

新しいビデオでは、Microsoft Research Cambridgeの副研究所長であるAnt Rowstron氏が、人間によって生成され、クラウドストレージに保存されるデータの量が増え続けていることに対応するProject Silicaの意義について概説されている。

ビデオでは、従来のクラウドサーバーのデータ媒体である磁気ストレージの限界を提示し、HDDを使用する場合は5年ごとに、テープストレージを使用する場合は最大10年ごとにデータをリフレッシュする必要があることが強調されている。メディアのリフレッシュは手間がかかり、エネルギーを浪費し、データ破損の可能性もある。

Project Silicaでは、データはレーザー・システムを使ってガラスに書き込まれ、ボクセル(3Dピクセル)を使ってエンコードされる。データを読み取る必要がある場合は、コンピューター制御の高速移動顕微鏡が情報を収集し、それをAIに渡して解読させる。

ガラスは磁気メディアよりもはるかに弾力性があり、水、電磁パルス、極端な温度に対する自然な耐性があり、何千年も安定した状態を保つことができる。エンジニアはデータを1万年以上安全に保存できると見積もっている。また、レーザーはガラスの内部構造を物理的に変化させるため、表面に傷がついてもコードは変化しない。現在の総ストレージ容量は約7TBであり、更にこのガラスプレートが電力を必要としない。Microsoftは、データが求められると自動的にガラスパネルを見つけて取り出すことができるハイテク・ロボットまで開発している。

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(Credit: Microsoft)

ビデオでは、Project Silicaのデータ保存と検索には、以下の4つの「ラボ」が関係している事が示されている:

  • 書き込みラボ:短いレーザーパルスがガラス内部のデータをボクセル(3Dピクセル)として記録する。
  • 読み取りラボ:コンピューター制御の顕微鏡がデータを読み取る。
  • デコード・ラボ:ここで読み取られたデータは、Azure AIを使用して標準的なコンピュータで読み取り可能なフォーマットにデコードされる。
  • ライブラリー・ラボ:データの呼び出しが要求されると、ライブラリー内のロボットが適切なピースを取りに行き、リーダーに挿入する。
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(Credit: Microsoft)

とはいえ、Microsoftは、Project Silicaが実用化されるまでには、まだ多くの課題を抱えている事も認めている。とはいえ、同社は、ガラスストレージを「世界中のAzureデータセンターにおける主力製品」として想定しており、その場所を確保し、耐久性、持続可能性、コスト効率に優れた潜在能力を発揮するためには、さらに3~4段階の開発段階が必要だとしている。


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