GoogleやAmazonは既に独自チップを開発しており、自社のクラウドサービスで採用しており、それによって効率化やコスト削減を図っているが、Microsoftも独自のAIチップを開発し、Azureでの採用を計画している事が『The Information』によって報じられている。コードネーム「Athena」と呼ばれるこのチップは、2019年から開発が進められており、11月14日から17日までシアトルで開催されるMicrosoftの開発者会議「Ignite」で発表される可能性があるとのことだ。
クラウドデータセンター向けAIチップ
The Informationの情報筋によると、AthenaチップはすでにMicrosoftとOpenAIの一部のグループに公開されているという。NVIDIAのH100 GPUと同等に設計されており、MicrosoftはGoogleやAmazonと肩を並べることになる。
Microsoftは、AI開発チーム向けのクラウド・ソリューションとしてこのチップを提供することも検討している。AI開発者はNVIDIAのCUDAに慣れ親しんでおり、機械学習フレームワークはNVIDIAのチップに最適化されているためだ。
現在、MicrosoftのAIデータセンターは、NVIDIAのGPUを使用して、大規模言語モデルをトレーニングし、顧客にデプロイしている。Google、Amazon(AWS)、OpenAIもNVIDIAのGPUを使用しているのは周知の通りだ。
ビッグテックはNVIDIAの独占を危惧している
The Informationの情報筋によると、MicrosoftはAMDとも緊密に協力しており、AMDの次期AIチップ「MI300X」を開発しているという。
AIアプリケーション専用に設計されたAMDのチップは、第4四半期にリリースされる予定だ。AMDのLisa Su最高経営責任者(CEO)によると、同社はすでに大手クラウド・プロバイダーや大企業、多くの大手AI企業と協業しているという。
いずれにせよ、大手AI企業は当然ながら、AIチップ分野でのNVIDIAの優位性を低下させ、少なくとも自らをより有利な交渉立場に置こうとしているようだ。ChatGPTの宣伝が始まって以来、NVIDIAの売上は急増し、業界は常に供給不足に悩まされている。
例えばGoogleは、TPU(Tensor Processing Unit)を推し進め、MidjourneyやCharacter AIのようなAI企業と独占契約を結ぶことで、より多くの開発者を自社のチップ・インフラに引き付け、価値の高い実案件を獲得しようとしている。
Amazonは、OpenAIの最大の競合であるAnthropicに投資している。AnthropicはAmazonのTrainiumとInferentiaのAIチップをクロードチャットボットのAIトレーニングと推論に使用する。OpenAIは独自のAIチップの開発も検討しているとのことだ。
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