Micronは、高速起動、迅速なアプリ起動、迅速なビデオ処理を実現する最新のスマートフォン向けUFS 4.0ストレージチップの初出荷を発表した。この新しいチップは、同社の232層3D NANDメモリ上に構築され、最大1TBの容量を提供する。また、「高度に設定可能なファームウェア」と技術的な改良、そしてUFS仕様そのものによる改善を組み合わせることで、フラッグシップスマートフォンに比類ないパフォーマンスを提供するとしている。
MicronのUFS 4.0ストレージ・デバイスには、256GB、512GB、1TBの3種類の容量があり、同社独自のコントローラーを採用している。上位の512GBと1TBのUFS 4.0製品は、Micronの232層6プレーン1Tb 3D TLC NANDデバイスを使用しており、シーケンシャルリード速度は最大4,300MB/s、シーケンシャルライト速度は最大4,000MB/sでMicronの提供するデータによれば、スマートフォン向けのUFSストレージモジュールとしてはこれまでで最高性能となっている。ただし、256GBは、クアッドプレーン3D NANDデバイスを使用しているため、若干遅くなる。
Micronの新しいUFS 4.0ストレージ・モジュールは、仕様に完全に準拠しており、データ転送に2つのM-PHY Gear 5レーンを使用している。さらに、データ・ストリーム分離(デバイス上で頻繁に使用されるデータとほとんど使用されないデータを分離し、バックグラウンドでのガベージ・コレクションを削減)、オート・リード・バースト(デバイスが長時間使用された後、デバイスのデフラグを使用することでリード性能を向上)、アイ・モニタリング(シグナル・インテグリティを確保)などの独自のファームウェア機能をサポートしている。
しかし、スピードだけがすべてではない。新しいメモリはエネルギー効率を25%向上させ、パフォーマンスの向上によりスマートフォンのバッテリー消費を抑えてくれる。全体として、UFS 3.1ストレージ・ソリューションと比較して、アプリの起動が15%高速化し、起動速度が20%向上し、電力効率が25%改善することを期待出来るとのことだ。
また、MicronのUFS 4.0ストレージは、他のメーカーが提供するもの(おそらく2022年に発表されるSamsungのUFS 4.0チップ)と比較して、書き込みレイテンシが10%向上しているという。
大容量の232層3D TLC NANDデバイスを使用することで、MicronfはUFS 4.0モジュールを薄型化する事を可能にしており、同社によると、そのz-heightは0.8~0.9mmを超えないため、スマートフォンメーカーは製品をよりスリムにしたり、より大容量のバッテリーを搭載したりすることが可能になるという。
Micronは、2023年後半に新しいUFS 4.0ストレージ・チップの量産を開始し、数カ月から数四半期でこれらのユニットが使用されることを期待している。Micronの新しいストレージは、フラッグシップスマートフォンだけでなく、高性能で安定した信頼性を備えた低消費電力メモリを必要とする自動車、コンピュータシステム、その他の機器にも搭載される予定だ。
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