Micron、232層NANDクライアントSSD「2550 NVMe SSD」を発売 – 性能向上と消費電力の低減を両立

masapoco
投稿日 2022年12月7日 6:36
2550 family image 540x340 1

Micronは、232層NANDテクノロジーを採用したクライアントSSD「2550 NVMe SSD」を発売した。これは、200層NANDの壁を越えたYangtze Memory Technology(YMTC)に続く最初の232層NANDで、Micronは、その応答性と低電力消費によって、市場で優位に立つ事が出来ると述べている。

2550はPCIe 4×4インターフェイスのNVMeドライブで、ドライブ容量は先行する176層2450と同じ256GB、512GB、1TBが展開される。ホストメモリバッファとM.2フォーマットは共通で、サイズは2280mm、2242mm、2230mmの3種類で、PCやノートブックのOEMが柔軟に使用できるように配慮されている。

Micronのクライアントストレージグループ担当副社長兼GMのPraveen Vaidyanathan氏は、プレスリリースで次のように述べている。「私たちは、このSSDでPCユーザーに優れたユーザー体験を提供することに注力しました。その能力は、素晴らしいアプリケーション性能と驚異的な電力削減を実現します。」

実際に待機時の低消費電力化が図られている。既存の2450は、スリープ時の消費電力が3mW未満、アクティブ時のアイドル時の消費電力が400mW未満、そしてアクティブな読み取り時の消費電力は5.5W未満だった。新しい2550では低電力状態が最適化され、スリープ時の消費電力は2.5mW未満、アクティブアイドル時の消費電力は150mW未満、そして、アクティブな読み取り時の消費電力が同じ5.5W未満となっている。Micronは、自己起動型低電力状態への移行を最適化したことにより、これらの電力削減を実現し、ノートPCのバッテリー寿命を延ばすことに貢献している。

また、性能の向上も顕著だ。2550は、6プレーンのNANDダイを搭載しており、6プレーンそれぞれに独立したワードラインがあるため、同時読み取りが可能だ。また、オンドライブ・ダイナミックSLCキャッシュには、予測的キャッシュ・ローディングが採用されている。

2450は、最大3.6GBpsの読み出し帯域と最大3GBpsの書き込み帯域を実現していた。2550では、これらの最大値が5GBpsと4GBpsに向上し、顕著に高速化されている。最大IOPSも同様に向上しており、2450のランダムリード/ライトIOPSは45万/50万だったが、2550では55万/60万となり、こちらも顕著に高速化されている

Micronによると、ストレージ性能ベンチマーク「PCMark 10」において、競合他社よりも優れた性能を発揮しているという。

耐久性は2450と同様、256GB-150TBW、512GB-300TBW、1TB-600TBWで、MTTFは200万時間とのことだ。このように、2450よりも性能向上と低消費電力化が進んでいるため、PCやノートPCのOEMから好評を得ることができるだろう。

Micronは、アナリスト企業Forward Insightsの予測に基づき、今後数年間はPCIe 4がSSDのスイートスポットになると考えており、現時点ではPCIe 5クライアントSSDの計画は明らかにされていない。

200層以上のNANDチップの他社の動向としては、中国のYMTCは先月、同社のXtacking 3技術を使った232層NANDチップを発売している。だが、YMTCのビジネス自体は、米国が課した技術輸出規制によって危険にさらされているようだ。SK hynixは238層のチップを開発中であり、Samsungは236層のチップをリリースするとしている。



この記事が面白かったら是非シェアをお願いします!


  • binglogo
    次の記事

    Microsoftは「スーパーアプリ」の構築を計画し、GoogleとAppleの関係に割って入ろうとしている

    2022年12月7日 10:07
  • 前の記事

    Googleが検索に新しいトピックフィルタを導入、検索結果の絞り込みや検索対象の拡大が容易に

    2022年12月7日 6:02
    google search new filters

スポンサーリンク


この記事を書いた人
masapoco

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

おすすめ記事

  • gen5 ssd 20240326 1

    MSI、読み込み14.6GB/秒、書き込み12.7GB/秒のPCIe 5.0 SSD「Spatium M580 Frozr」を発表

  • InnoGritt SSD Controller 1

    中国製RISC-V PCIe 5.0 SSDコントローラがファンレスで最大14.2GB/秒を実現

  • micron hbm3 gen24

    Micron、HBM3Eメモリの旺盛な需要を報告、2025年製造分の大半までが既に完売と発表

  • pi number

    円周率計算の世界記録が更新、小数点以下105兆桁までが求められる

  • NVMe M.2 SSD

    NANDの減産がSSDの価格上昇に繋がり、2023年第4四半期のメーカーの収益が25%増加

今読まれている記事