MediaTekは、6月22日(日本時間)フラグシップスマートフォン向けのプロセッサ「Dimensity 9000+」を発表した。搭載スマートフォンは2022年第3四半期に投入される予定だ。
- Mediatekが「Dimensity 9000+」SoCを発表
- 標準の「Dimensity 9000」から、Cortex-X2 CPUコアとGPUのクロック周波数を5%向上させている
- チップセットを搭載したスマートフォンは2022年第3四半期に出荷が予定されている
QualcommのSnapdragon 8+ Gen 1に対抗か
アップグレードされたプロセッサの改良点としては、フラッグシップCPUコアのCortex-X2について、従来のクロック周波数3.05GHzから3.2GHzに5%向上させている。また、GPUも5%のクロック周波数の向上が実施され、10%を超えるグラフィックパフォーマンスの向上が見られるとのこと。GPUのクロック周波数についてはMediaTekは開示していない。
新しいDimensity 9000+システムオンチップ(SoC)は、Armのv9 CPUアーキテクチャと4nmオクタコアプロセスを統合し、最大3.2GHz(Dimensity 9000では3.05GHz)で動作する1つのウルトラCortex-X2コアと3つのスーパーCortex-A710コアおよび4つの効率的Cortex-A510コアを組み合わせています。先進のCPUアーキテクチャと新チップセットに内蔵されたArm Mali-G710 MC10グラフィックスプロセッサにより、CPU性能は5%以上、GPU性能は10%以上向上しています。
MediaTek
それ以外の改良点は見られず、構成は標準のDimensity 9000と同じチップセットとなる。TSMCの4nmプロセスで製造され、フラグシップCPUコアのCortex-X2が1つ、高性能コアCortex-A710が3つ、および高効率コアのCortex-A510が4つで構成されるオクタコアCPUとなる。
また、Mali-G710 MC10 GPU、 7Gbpsの統合5Gモデム(ミリ波接続は非対応)、機械学習用の第5世代APUなどの使い慣れたコア機能も利用できる。
リリースデバイスは2022年末から順次発売
その他、320MPシングルカメラサポート、AV1デコードサポート、トリプルカメラによる同時HDRビデオ録画、8K / 24fps録画、WQHD +解像度で144Hzリフレッシュレート、FHD +解像度で180Hzリフレッシュレート、Bluetooth 5.3、Wi-Fi6Eが含まれる。
MediaTekによると、Dimensity 9000+を搭載したスマートフォンは2022年第3四半期に発売される予定とのこと。Oppo、Vivo、Xiaomiはすべて今年初めにDimensity 9000電話を発売したが、中国以外ではVivoデバイス( Vivo X80 )しか利用できなかった。したがって、Dimensity 9000 +がグローバルに利用可能になるかどうかというのはとても重要だ。
ことあるごとに比較の対象とされてきた、QualcommのSnapdragon 8 Gen 1は、発熱の問題や処理性能の面でDimensity 9000に劣っており、今回Qualcommが首位を奪還すべく満を持して、従来の更新スケジュールを覆してまで発売したSnapdragon 8+ Gen 1だが、ライバルがほぼ一部地域の一部の機種でしか採用されていないのならば、急いだ意味がなくなってしまうだろう。
ちなみに、Dimensity 9000+は2022年第3四半期にリリースされる予定だが、Androidスマートフォンメーカーがこれを使用する予定はまだ発表されていない。
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