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TSMCのCEOは、安価なチップの不足が最先端チップの生産に影響を与えていると警告している。低価格のシリコンに対する大量の需要が、AppleのAシリーズやMシリーズなど、より高度なチップの製造を滞らせることにもなりかねないのだ。

AppleのチップパートナーであるTSMCやその他のメーカーは、未だ続いている世界的なチップ不足がもたらす製造上の問題に遭遇している。安価なチップの生産が追いついていないことがボトルネックとなり、部品の需要が増えた他の産業にも影響を及ぼしているということだ。

Bloombergによると、TSMCのCEOであるC.C.Wei氏は、技術シンポジウムで、「安価なチップの高い需要が続くことで、他の主要なサプライチェーンセグメントの製造を妨げている」と語っているそうだ。

チップの製造に使われる露光装置の世界最大のメーカーであるASMLも、このチップ不足に悩まされている。

特にこれらの露光装置メーカーの問題は深刻で、TSMCがASMLの極端紫外線(EUV)露光装置やApplied Materialsの成膜装置を予定通りに入手できなければ、200億ドルを超える巨大な工場はアイドル状態に陥ることになる。最終的には、TSMCの顧客だけでなく、ファブツールの他のサプライヤーも被害を受けることになるので、サプライチェーンへの影響は計り知れない。

TSMCは安価なチップの需要を満たすことができず、状況に対処するために新しい設備を建設している最中だが、成熟したチップノードは時間とともに生産コストが高くなる可能性があるとWei氏は警鐘を鳴らしている。

「効率的でグローバルな供給システムの時代は終わった。各国が自国の設備を建設しようとすることで、生産コストも上昇している。また、インフレを含め、コストは急速に上昇している。」とWei氏は語っている。

他の業界大手も品不足に悩まされ続けており、Applied Materialsは依然として受注残が積み上がっている。NVIDIAも、安価な電力変換器やトランシーバーなどの製品用チップの確保に苦労しているとのことだ。

古いノードを使った安価なチップへの高い需要は、チップメーカーが新しい技術ではなく、最も求められているチップに時間を割かなければならないという点で、波及効果をもたらす。

Appleは、TSMCの最大顧客の1社として、TSMCとの密接な関係から恩恵を受けているため、チップ危機の影響を他より受けにくい。しかし、この危機は、Appleが自社製品に使用する安価なチップの需要に影響を与える可能性もある。

各社が需要に追いつこうと急ぐ一方で、不足はかなり長い間続くと思われる。4月には、IntelのPat Gelsinger CEOは、チップ不足は2024年まで続くと予測している。

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