Intelはアイルランドのライクスリップ工場で、極端紫外線(EUV)リソグラフィ装置を用いた「Intel 4プロセス」による大量生産を開始する予定である。
アイルランドのIntel Fab 34は、オレゴン州ヒルズボロ近郊のD1 Fabに次いで、Intel 4製造プロセスでチップを製造する同社2番目の半導体製造施設となる。これは、欧州におけるEUVリソグラフィ装置を使った初めての量産であり、記念碑的なものだ。
EUVリソグラフィ装置は現在、ASML社1社のみが製造しており、Intelは昨年、ライクスリップ工場の設備増強のため、オランダのASML社から最初のキットを納入することを発表した。
Intelは当時、この装置を「人類がこれまでに製造した中で最も複雑な機械であることは間違いない」と説明し、10万個の部品、3,000本のケーブル、40,000本のボルト、1マイルを超えるホースで構成され、この装置を受け入れるための建物を準備するために、設計と建設活動に18カ月を要したと述べた。
台湾のTSMCなど他の半導体メーカーは、以前からEUV装置を導入している。しかし、世界最大のファウンドリー事業者は最近、不透明な市場環境に直面して、一部の先進的なチップ製造装置のさらなる納入を停止すると発表している。
Intel 4製造プロセスは、Intel 7(10nmエンハンスド・スーパーフィン)と比較して、同じ電力で21.5%高い周波数、または同じ周波数で40%の電力削減を実現すると報告されている。さらに重要なことは、この新しい製造プロセスでは、EUVと第2世代のコンタクト・オーバー・アクティブ・ゲート(COAG)によって実現された、高性能ライブラリーを備えたトランジスタ密度が、従来の2倍になることである。
Intel4の製造技術(旧称7nm)は現在、クライアントPCに搭載される同社のコードネーム「Meteor Lake」プロセッサ用のコンピュート・タイルの製造に使用されている。これらのチップレットを2つの工場で生産することで、インテルはこれらのCPUを大量に発売できるようになる。
この新技術は、今後リリースされるPCプロセッサ「Meteor Lake」をはじめ、人工知能やデータセンター向けのチップにも応用される。Intelはこの工場での生産拡大に約17億ユーロ(約2,680億円)を投資しており、2025年までに業界でのリーダーシップを取り戻す計画だ。
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