Intelの「Innovation 2023」イベントでは、新たな「Meteor Lake」CPUの発表が大きな反響を呼んだが、同社が今後のチップ設計において、3D積層キャッシュ設計をプロセッサーに採用することが明らかになった。この技術はMeteor Lakeには搭載されないが、将来のコンシューマー向けおよびエンタープライズ向けCPUには搭載される予定だ。
Innovation 2023のQ&Aセッションで、Intel CEOのPat Gelsinger氏は、同社がAMDの真似をして、Ryzen 7 7800X3Dのような3D V-Cacheプロセッサーで好評を博しているチップスタッキング・アプローチを採用するのかと質問された。
「V-Cacheというのは、TSMCが一部の顧客と行っている非常に特殊な技術のことです。明らかに、我々はそれとは異なることを行っていますね」とGelsinger氏はセッションの中で語っている。
同CEOは、今年12月に登場するMeteor Lakeチップには3D V-Cacheスタイルの技術は採用されないと述べたが、「我々のロードマップでは、1つのダイにキャッシュを搭載する3Dシリコンのアイデアを見ることになるでしょう。そして、その上に積層されたダイにCPUコンピュートが搭載されることになります」と付け加えた。
Gelsinger氏は、IntelはEMIBとFoverosプロセスを使ってチップ・ダイを垂直に接続する計画であり、「我々は次世代メモリ・アーキテクチャのための高度な能力を持っていると感じている」と述べている。また、この技術はIntelの自社製品に使用されるほか、ファウンドリー(IFS)の顧客にも提供されると付け加えた。
TSMCのSoIC技術をベースにしたAMDの第2世代3D V-Cacheチップは、今年初めに発売された。同社は、Zen 4が最大3つのノードを使用することを確認した。CCD用の5nmノード、IOダイ用の6nmノード、V-Cache用の7nmノードである。同社は3月に開催されたISSCCのプレゼンテーションで、新世代の利点と課題について説明した。
Intelが3D積層キャッシュを採用するというニュースは、Intelファンにとっては歓迎すべきことだろう。AMDの3D V-Cache CPUは、実際ベンチマークテストにも現れているように、特にゲーム用途で無類の威力を発揮しているからだ。
Intelのチップ積層技術がいつ登場するかは、Meteor Lakeの後ということ以外、正確には不明だ。2025年に予定されているArrow Lake、Lunar Lake、Panther Lakeのいずれかに搭載される可能性はあるが、AMDのV-CacheプロセッサのライバルとしてIntelが何を提供するのか、少し待つことになるだろう。
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