Intelは、オハイオ州コロンバス近郊のリッキング郡にキャンパスを建設する計画だが、そのキャンパス内で最初の2つとなる新たなファブの起工式を開催した。この全く新しい製造拠点を設立する地域を同社は「シリコンハートランド」と呼び、“第2のシリコンバレー”として成長させたいようだ。オハイオキャンパスには、最大で8つのファブが建設される予定で、今後約1,000億ドルの投資が必要とされている。式典には、Joe Biden大統領とMike DeWineオハイオ州知事が、IntelのPat Gelsinger氏とともに出席した。
Intelのオハイオ州、シリコンハートランド製造拠点にある最初の2つのファブは、約200億ドルの費用がかかり、同時に建設される予定だ。これらのファブは、2025年にオンラインになる予定となっている。新キャンパスは約1,000エーカー(4平方キロメートル)の敷地に、最大8つの半導体ファブのほか、サポート業務やエコシステム・パートナーを収容できる予定だ。この敷地を構築するために、Intelは約1,000億ドルを投資する必要があると述べていた。
Intelは新ファブでどの製造ノードが使用されるかを明らかにしていないが、2025年にオンラインになると予測されていることから、この施設ではIntelの20Aおよび18A製造技術でチップを製造でき、より高度な製造プロセスにも対応できるようになると推測される。また、新ファブでは、開口数0.33の現世代のEUV(Extreme Ultraviolet)リソグラフィと、NA0.55の次世代EUV装置が広く使用されることが予想される。
これらの工場では、製造およびエンジニアリングの分野で3,000人のスタッフを雇用し、IntelおよびIntel Foundry Services(IFS)の顧客向けにチップを生産する予定だ。さらに、この新しい施設は、新たに地元で約7,000人の建設雇用を創出するという。
オハイオ州のキャンパスは、Intelにとってここ数十年で初めての全く新しい製造拠点となる。最近、Intelはアリゾナ、アイルランド、イスラエル、ニューメキシコ、オレゴンの既存拠点に新しいファブを建設し。これに対し、オハイオ州のシリコンハートランド・キャンパスは、ゼロから建設される予定で、IntelとISFの顧客にとって大きな製造能力の増強となり、IntelのIDM2.0戦略の実行に役立つと期待されています。また、アリゾナ州にあるIntelのファブや他社のファブとともに、最先端の半導体製造を米国に取り戻す上で重要な役割を果たすことになる。
IntelのCEOであるPat Gelsinger氏は、「本日は、より地理的にバランスの取れた、強靭な半導体サプライチェーンを構築するための極めて重要な瞬間です。シリコン・ハートランドの設立は、政府のインセンティブが民間投資を呼び込み、何千もの高賃金雇用を創出し、米国経済と国家安全保障に貢献することを証明するものです。先進的なチップ製造のリーダーとして米国を正しい位置に戻すというビジョンを共有する、政権、議会、オハイオ州のリーダーたちの支援なしには、今日ここにいることはできなかったでしょう。」と述べている。
Intelのシリコンハートランドを支援するため、Air Products、Applied Materials、LAM Research、Ultra Clean Technologyなど、Intelの多くのパートナー企業が、新しい事業を支援するために現地拠点を設立する計画を示している。
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