キャプチャ・解析ツールで有名なCapFrameXの開発者が、AMDのRadeon RX 6800 XT (RDNA 2), IntelのArc A770 (Alchemist), NvidiaのGeForce RTX 3090 (Ampere) と GeForce RTX 4090 (Ada Lovelace)について、8K解像度でのAV1ビデオエンコーディング性能の比較を行い、その結果をサイト上で公開している。
NVIDIAのGeForce RTX 3090やRTX 4090のようなハイエンドグラフィックボードは、メインストリーム向けのグラフィックボードであるIntelのArc A770とは異なり、高解像度で精細なグラフィックのゲーム画面描画において性能を発揮する。しかし、高解像度のビデオ再生に関しては、GPUのそういったゲーミング性能とは別の、特殊な目的のために搭載されたハードウェア・ユニットによって実行されるので、単純に価格が高い物がビデオ再生性能が優れているとは言えないのが現状だ。
CapFrameXの開発者は、最新のグラフィックプロセッサのデコード能力をテストするために、YouTubeから8K 60FPSの動画を取り込み、Chromeブラウザで4Kと8Kの解像度でデコードしている。
8Kでは、IntelのArc A770は平均60FPSで滑らかな再生を実現し、0.2%のケースで44FPSに低下。これに対し、NVIDIAのGPUは56.8~57.6FPSを記録し、16.7FPSまで落ちる場合もあり、見ていて不快にレベルだった。NVIDIAのAD102とGA102の結果が近いことを考えると、NVIDIAの現在のドライバとGoogle ChromeがNVIDIAの最新のNVDECハードウェアを活用できているのか(GA102と比較して、AD102について、NVIDIAがハードウェアをアップデートしたのか)、ということが問題になりそうだ。AMDのRadeon RX 6800 XTでは、8K動画はフレームレートの低下やスタッタリングに悩まされ、「見るに耐えない」ものだった。
総じて、Intelは8Kでも業界トップクラスの動画再生サポートを実現している。これに対し、NVIDIAのソフトウェアは、高解像度のAV1ビデオ再生に関して、Intelに追いつく必要があるかもしれない。AMDのNavi 21はAV1デコードを正式にサポートしているが、8Kの解像度には見えないし、少なくとも現在のソフトウェアでは問題外と言う事になりそうだ。
ちなみに、Wccftechによると、NVIDIAの広報担当者から、”デコードの問題”は不具合であり、現在調査中であると問い合わせがあったとのことだ。
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