1993年、セガのアーケードゲーム『バーチャファイター』は、格闘ゲームとしては初のフル3Dポリゴン・グラフィックで登場した。2Dグラフィック全盛の発売当時に世間に与えた印象は、まさに“衝撃的”なものだった。
今となってはクラシックゲームに分類されるほど懐かしい作品ではあるが、この懐かしいカクカクポリゴングラフィックを元に、今話題の画像生成AIを使って、メディアアーティストのColin Williamson氏が、バーチャファイターのキャラクターを現代的なグラフィックで蘇らせる実験を行っている。
Williamson氏はこの画像を作成するために、オリジナルのバーチャファイターで使われているゲームの画像を、「img2img」に入力した。この画像生成モデルは、画像をそのままデータとして渡し、更にテキストによる説明と組み合わせることで、出力画像を合成するものだ。Williamson氏は、Stable Diffusionを使うために、Webベースの優れたユーザーインターフェイスを備えた「AUTOMATIC1111」リリースを使用したとのこと。
とはいえ、Stable Diffusionなども結局は扱う人のスキルや、入力するプロンプトを探し出すための試行錯誤が必要となる。Williamson氏は「キャラクターを描写するだけで、img2imgはベストを尽くしてくれます。一番大変だったのは、キャラクターの服をどう表現するかということでしたが。」とArs Technicaに語っている。
「良いプロンプトを見つけたら、50個くらいまとめてやって、一番面白いものを選びました。AIに『めちゃくちゃな手を描かないで』と指示すると、キャラクターが7本の指から6本の指に変わるという素晴らしい効果がありました」と、Williamson氏は付け加えている。
実際の結果は、以下の通りだ。アキラがちゃんとアジア人系の顔(と言うか、芸人の「なかやまきんに君」に似てなくもない)をしているのも、最近のグラフィックを見慣れていることもあり、少し違和感があるが、これをAIが生み出したのだと思うと、中々興味深いのではないだろうか。
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