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オウムアムア(ʻOumuamua(1I/2017 U1))は、2017年に発見された、天体観測史上初となる太陽系外から飛来した恒星間天体だ。その正体は謎に包まれており、NASAによると、直径は400m未満、もし細長い棒状だった場合は長さ800m程度の物体と見られるが、岩石の塊なのか、はたまた宇宙人の船なのか、様々な憶測が飛び交った。

その中で、異星人の探査船、もしくはその残骸であるとする説を提唱したのが、ハーバード大学のAbraham Loeb(アブラハム・ローブ)教授だ。彼は、知的な宇宙人文明によって作られた機械かもしれないとする説を唱え続けているが、今回、Loeb氏と共著者のCarson Ezell(カーソン・イーゼル)氏(ハーバード大学天文学者)は、新たな査読前論文において、「オウムアムア」に似た天体が他にどれだけあるかの予測を展開している。彼らは、太陽系には4,000,000,000,000,000,000(または400京)もの天体が存在するかもしれないという驚くべき結論に達したのだ。

Loeb氏は、400京個もの天体が存在し、それらはそれぞれが別の星からの訪問者であり、そらく人工的に作られたものであるとのことだ。

とても多いように見えるかもしれないが、太陽系は広大である。そして、我々の星系と最も近い隣人であるプロキシマ・ケンタウリとの間の空間は、さらに広大だ。そして、Loeb氏が主張するのは、天の川の片隅に何十億もの宇宙船があると言うことではない。彼らの研究では、「宇宙人が作った可能性のある人工物の数」を試算したのだ。つまり、地球外知的生命体が作ったロケットの残骸や、我々の理解を超える異星人技術の説明のつかない断片といったものだ。それらの総計が、400京個を超えるのではないかと言うことだ。

彼らは、これまでに観測された4つの星間天体を基に計算を行った。オウムアムア、CNEOS 2014-01-08とCNEOS 2017-03-09と呼ばれる2つの星間流星、そして星間彗星ボリソフについてだ。

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オウムアムアの想像図 (Credit: ESO/M. Kornmesser – http://www.eso.org/public/images/eso1737a/)

そうすると、8年間で4回の恒星間訪問者があったことになる。Loeb氏とEzell氏は、地球の現在の観測装置で観測できる銀河の範囲(それほど広くない)を考慮し、「オウムアムア」のように近隣の星系からやってきた天体が暗闇の中にあと何個あるか推定することにした。

この結果、2つの数字が導き出された。一つは、すべての星間天体の数だ。太陽系をランダムに飛び回り、我々の観測装置で見える範囲外も通過する可能性のある全ての天体の数が40,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000という途方もない数だ。

そしてもう一つ、400京個という数字も導き出された。これは、太陽系内の太陽に近い「ハビタブルゾーン」に向かっていると思われる天体の数だ。このゾーンは地球が周回している場所であり、天文学者が通過する天体を発見するチャンスがある場所でもある。

この数値はとても興味深いものだ。それは、単に近い天体の方が発見しやすいというだけではない。これらの天体が我々の方向を目指しているように見えるからだ。目的を持っている天体が400京個もあるということなのだ。

ただし、Loeb氏自身も、「オウムアムア」のような天体が400京個もあるとは言っていない。「オウムアムア」は、推定400mという非常に大きな、乗組員のいる宇宙船というには十分な大きさだが、これまで検出された星間彗星から判断すると、太陽の周りのハビタブルゾーンにある星間天体のほとんどは、1m以下の小さなものである可能性が高い。オウムアムアサイズの天体1つに対して、後者の天体はおそらく100万個はあるだろうとLoeb氏は説明する。

それでもまだ、太陽系のハビタブルゾーンのどこかに、たくさんの「オウムアムア」がいる可能性が残されている。そして、そのどれかが宇宙船である可能性があるのではないかと。

しかし、実際にこれらの天体をピンポイントで見つけることはもちろん、綿密に調べることも非常に困難である。オウムアムアを観測できたのはまさに幸運だったのだ。それはとても大きく、とても輝いていて、地球からとても近い位置(3,300万km)を通過してくれたので観測できたのだ。

しかし、太陽系は全長150億km以上あり、プロキシマ・ケンタウリまでは、さらに32兆kmもある。あまりに広大な面積の中で、見付けるべき天体はとても小さいため、ほとんどの星間天体は、ハビタブルゾーンを横切っているものでさえ、オウムアムアよりずっと見つけるのが困難なのだ。それはまさしく、干し草の山から針を見付けるようなものだろう。

だが、科学の発展は状況を変えつつある。NASAのジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡をはじめとする新しい望遠鏡は、太陽系外縁部の暗闇をより遠くまで見渡し、より小さな天体を発見し、地元のものと星間からの訪問者の可能性を分けるのに役立っている。

昨年、ハーバード大学の教授は、UFOの高解像度画像を撮影することを目的とした望遠鏡とカメラのグローバルネットワークを構築する「ガリレオプロジェクト」を立ち上げた。ローブは最近、「2年以内に」そうした画像を見ることができると主張している。

さらにLoeb氏は、チリに建設中のヴェラ・C・ルービン天文台にも触れている。2023年の開館を目指すこの天文台は、32億画素のカメラで4日に1度、南天の全天を観測することが可能だ。「高解像度の画像は、人工物表面のボルトやネジを明らかにし、窒素氷山、水素氷山、ダストバニーと区別することができます」とLoeb氏は言う。

人類が宇宙観測機器を進化させ続けることで、より高度な文明の機械を検出できるようになるかもしれない。

研究の要旨

星間天体の局所的な検出率から、天の川銀河の薄い円盤に束縛された類似天体の総数を推定することが可能である。もし人工的に作られた星間天体が発見された場合、それが太陽の周りのハビタブルゾーンを対象としていれば、推定される総個数は約1016分の1にまで減少する可能性がある。我々は、天体の速度と観測密度から、対象となる天然または人工の星間天体の数量を計算するモデルを提案する。次に、このモデルを地球外文明からの化学推進ロケットのケースに適用する。最後に、過去に発見された3つの星間天体-起源不明の天体「オウムアムア」、最初の星間流星「CNEOS 2014-01-08」と「CNEOS 2017-03-09」にこのモデルを適用する。

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