中国企業ByteDanceが所有するソーシャルネットワーキングサービス「TikTok」を売却させる法案が米議会に提出されており、これが可決された場合、大統領の承認をもってTikTokは中国企業の手を離れる可能性がある。これはまだ確定した物ではないが、The Wall Street Journalの新たな報道によると、Activision Blizzardの元CEOであるBobby Kotick氏がこれを見越して、TikTokを買収するため、OpenAIのSam Altman氏など、資金面でのパートナーを見つけようとしているという。
Kotick氏は、MicrosoftがActivision Blizzardを買収した後、2023年後半に同社を去った。WSJの報道によると、Kotick氏はByteDanceの共同創業者であるZhang Yiming氏とTikTokの買収について話し合っているという。
TikTokは1月に米国で最も急成長しているソーシャルメディア・プラットフォームであることが判明しており、米国内の推定ユーザー数は1億5,000万人と他のどの国よりも多く、その買収には彼はまた、最終的に1,000億ドルを大きく超える可能性がある。そのため、このような取引の資金調達に協力する金融パートナーを探しているとも伝えられている。
WSJよると、彼は先週、OpenAIのCEOであるSam Altman氏を含むグループとカンファレンスでそのような見通しについて話したという。もしOpenAIがTikTokを買収する取り組みに参加すれば、そのデータを同社の大規模言語モデルGPTの訓練に役立てることができるという話になる。これはOpenAIにとっても悪い話ではない。
この動きは、米国下院のエネルギー・商業委員会の50人のメンバーが、法律が成立すればByteDanceに165日以内にTikTokを売却するよう要求する法案を全会一致で採決した数日後のことだ。売却されなければ、TikTokアプリは米国のアプリストアから禁止される可能性がある。
法案は今週中に下院本会議で採決され、その後上院で可決される見込みだ。それが実現すれば、Joe Biden大統領が最終的に署名することになる。Biden大統領はすでに、法案が可決された場合署名する意向を示している。
TikTokを批判する人々は、ByteDance社は中国資本の企業であるため、収集したデータを中国政府に送るよう求められる可能性があると主張している。ByteDance社は、そのようなことはしていないと繰り返し否定しており、先週下院委員会を通過した法案には、”米国でのTikTokの全面禁止という、あらかじめ決められた結果がある”と批判している。
WSJの記事によれば、米上院の一部の議員はすでにこの新法案について懸念を表明しており、言論の自由に対する憲法修正第1条の権利を侵害するものであるかどうか懸念しているという。この法案が大統領の署名を得るには、上院議員100人のうち60人の賛成が必要だ。
Source
- The Wall Street Journal: TikTok Crackdown Shifts Into Overdrive, With Sale or Shutdown on Table
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