人工知能技術の開発に携わる多くのテクノロジー企業が、自社の技術を戦争などの有害な用途に使用しないことを表明しているように、ボストンダイナミクス(Boston Dynamics)、アジリティロボティクス(Agility Robotics)、エニーボティクス(ANYbotics)、クリアパス・ロボティクス(Clearpath Robotics)、オープンロボティクス(Open Robotics)、ユニツリー・ロボティクス(Unitree Robotics)などロボット開発企業6社は、自社の技術を軍事用途に使用しないことを明らかにする共同声明を発表した。
しかし、この声明には拘束力がないため、「軍事利用はしない」と言っても、そのロボットを購入した部隊が兵器設計に利用することは制限されないということになる。しかし、社会的認知の問題を避けるため、これらの企業は、自社のロボット設計を軍事化せず、いかなる部隊による軍事分野でのロボット使用も支援しないことを強調している。 また、政府機関や関連パートナーに対しても、防衛などの補助的な必要性を除いて、軍事目的でのロボット使用を避けるように呼びかけている。
SF映画からロボットが現実のものとなり、人間の生活に入り込むことで、ロボットが悪用され、さらに社会問題を引き起こすのではないかと心配する人が増えている。先日も、自動車大手テスラ(Tesla Motors)が、人型ロボット「オプティマス(Optimus)」を披露したが、開発には6か月程度だったとのことで、その技術の進化には驚かされる。我々の生活にロボットが入り込んでくるのも時間の問題かも知れない。また、多くの国が軍隊や警察にロボットを導入し始め、本来は捜索・探知用のロボットに能動的な武器を持たせ始めたため、これを危惧する声も少なくない。
ロボット開発企業6社が発表した声明は、実際にロボットの軍事利用を阻止するものではないが、少なくともロボットの戦争利用を支持しないことを示し、政府機関や開発コミュニティがこれらの問題の潜在的影響に注意を払うことを希望している。
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