PCビジネスやハイテク業界全体が、現在需要の低迷による苦境に陥っているのは周知のことだが、新しい報告はこの状況がどれ程のものかを物語っている。Mercury Research社の調査によると、昨年の第4四半期にCPUの出荷が歴史的な急落を見せていることが明らかになった。
Mercury ResearchのDean McCarron氏がPC Magに語ったところでは、「IntelやAMDなどのベンダーのx86CPU出荷数が、Mercury Researchが30年間市場を追跡してきた中で、前年同期および前四半期比で最大の減少幅を記録した。」とのことだ。
x86プロセッサの低迷は、需要減と在庫調整という最悪の二重苦によって引き起こされた。2022年のプロセッサ出荷台数は3億7400万台(ARMを除く)となり、2021年比で21%減となった。売上高は650億ドルで、前年比19%減となった。だが、McCarron氏は、2022年のプロセッサ全体の売上高は、2020年代が始まる前のどの年よりも依然として高いことは指摘している。
また、AMDが2022年第4四半期に何らかの成長を見せた唯一のセグメントの一つであるサーバーCPUのシェアを伸ばしたことは明るい話題だろう。加えて、AMDは縮小傾向にあるデスクトップとノートPCの市場でもシェアを伸ばした。AMD固有の財務および販売実績データについては、同社の第4四半期および2022年度決算に関する報道をご覧頂きたい。また、Mercuryは、全体およびセグメントごとのx86 CPUの市場シェアに関心を持つ人のために、いくつかのチャートを共有した。ここで重要なのは、AMDが2021年のx86市場の約23%から、2022年には30%近くまで全体的なシェアを伸ばしていることだ。
販売減よりも在庫調整が大きな悪影響を及ぼしている可能性
2022年までのx86出荷台数に関するMercury社の暗い統計は、必ずしもエンドユーザーへのx86 PC(プロセッサ)の出荷台数と直結していないことを、McCarron氏は強く指摘した。先に、在庫調整と販売減速の2つが下押し要因であると述べたが、今回のx86の記録的な不振にはどちらが大きく関与しているのだろうか。
Mercury Researchのアナリストは、「出荷の落ち込みのほとんどは、前の四半期に出荷された過剰在庫が現在の販売に影響を与えたためだ」と説明している。「CPUサプライヤも在庫の消費速度を上げるために意図的に出荷を制限しており、そのためにPCのプロセッサ需要が低下し、マクロ経済の懸念が弱まり、PC OEMが同様に在庫を減らすようになった。」との予想を述べている。
また、Mercuryは、この傾向は2023年上半期まで続くと断言している。在庫の下支えに関する同社の考えは、今後数カ月に予定されている主要プレイヤーの決算でも証明されるはずだ。
いくつかの大手ハイテク企業やアナリストが、2023年後半がターニングポイントになり、下降トレンドが崩れる変曲点になると指摘しているようだ。
Source
コメントを残す