ChatGPTを初めとする生成AIは、その登場以前と以降とで大別されるほど、テクノロジー業界を大きく揺るがす存在となったが、その影響はもちろんAppleにも及んでいる。
AppleがAIに大きく賭ける判断を下したという噂については、すでにお伝えした。Appleの内部情報に詳しいBloombergのMark Gurman氏は、iOSオペレーティング・システムの次期バージョンに何らかの機能を追加する可能性を含め、AppleのAI計画についてさらなる内部情報を得たとして報じている。
Gurman氏のニュースレター「Power On」の中で、Appleのソフトウェアエンジニアリング担当上級副社長であるCraig Federighi氏がiOS 18にAI機能を追加するチームを率いており、年間10億ドル(1,500億円)規模という莫大な予算が付けられているそうだ。彼はこう述べている:
膨大なデータを使ってAI能力を磨く、同社の大規模言語モデル(LLM)上で動作する機能でiOS 18を満たすという指示がある。新機能は、Siriとメッセージアプリの両方が質問に答えたり、文章を自動補完したりする方法を改善するはずで、競合サービスの最近の変更を反映している。
AppleがApple GPTという非公式名称を持つ独自のLLMを開発しているという噂については、以前にもお伝えした。しかし、本日の新たなレポートでは、その計画の詳細と、LLMが早ければ2024年にもSiriデジタルアシスタントの改善に使われる可能性があることを伝えている。
この記事では、Appleのサービス責任者であるEddy Cue氏が、同社の生産性向上アプリにAI機能を追加するために取り組んでいるとも付け加えている:
Cueのチームは、Pagesのようなアプリで人が文章を書いたり、Keynoteでスライドデッキを自動作成したりするのを手助けするために、どのように生成AIを使うことができるかを検討している。これもまた、MicrosoftがWordやPowerPointアプリですでに開始しているものと同様だ。
Apple社内では、AIサービスの提供方法についても議論が交わされているという。iPhoneのようなデバイスでの利用を望む声もあれば、クラウドでの利用を望む声もあり、ハイブリッド・ソリューションを支持する声もある。どのような決断が下されるにせよ、Appleがこの分野でMicrosoftやGoogleに追いつこうとしているのは明らかだが、先行している両社に追いつくのは容易ではないだろう。
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