Googleは、Android Runtime(ART)の新バージョンをリリースした。この新バージョンは、従来のものよりも約9%少ないコードを使用し、パフォーマンスの低下を伴わずにメモリとストレージの節約を実現している。Googleはこれにより、平均的なAndroidデバイスで約50〜100MBのストレージ節約が可能であり、全世界でサポートされているデバイスで合計47〜95ペタバイトの節約が見込まれると述べている。
ARTはAndroidのシステムコンポーネントではなくなっており、システムから独立して更新が可能である。そのため、Android 12以降を実行しているデバイスはすべて、この新しいバージョンを利用できるようになっている。ART 14と呼ばれるこの新バージョンは、Google Playシステムアップデートを通じて自動的に電話にローリングアウトされる。
Googleは、ストレージ節約を実現するために特定のプロセスの最適化を行ったと述べている。例えば、書き込みバリアの排除、ループの最適化、不要なコードの排除などが挙げられる。これらの変更が組み合わされて大きな違いを生んでいる可能性がある。これらは、ART 14と共にリリースされたAndroid 14が、多くのユーザーにとってバッテリー持続時間とパフォーマンスの大幅な改善を実感させている理由の一部ともなっている。
以前のARTアップデートでは、数百万台のデバイスのアプリ起動時間を短縮し、平均で約30%速く使用可能になるなど劇的な改善が見られた。ARTは、古いAndroidバージョンでそれまで用いられてきたDalvikの代替品である。ARTはAndroid 4.4 KitKatでプレビューとして初めて導入され、Android 5 LollipopでDalvikを完全に置き換えた。これは、Android最大のビジュアルリフレッシュの一つであった。Android 12では、GoogleはARTをメインラインモジュールに変更し、ランタイムをフルシステムアップデートを行うことなく更新できるようにした。そのため、多くのデバイスがすでに新バージョンを利用できるようになっている。
新バージョンはほとんどの電話で数十MBしか節約できないが、この変更はエコシステム全体でスケールアップし、多くのデバイスの動作をスムーズにし、貴重なRAMとストレージを節約する大きな要素となっている。
Source
- Android Developers Blog: The secret to Android’s improved memory on 1B+ Devices: The latest Android Runtime update
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