AMDの次期6コアCPU Zen 4の1つ(Ryzen 5 7600Xとされる)が、新しいベンチマークでIntelの現在のフラッグシップCore i9-12900Kをシングルコア性能で上回った。とはいえ、流出したベンチマークはUserBenchmarkであること、そして第二に、このチップはエンジニアリングサンプルであることから、結果については製品版と異なる可能性があることに注意が必要だが、それでも印象的な数値だ。
この未発表のAMDプロセッサは、100-000000593-20_Yという識別子で登場した。ベンチマークレポートによると、6コア12スレッドなので、恐らくまだ発売されていないZen 4のRyzen 5 7600Xだろうと推測される。エンジニアリングサンプルとはいえ、Ryzen 5 7600Xチップは印象的なクロック速度を示している。ベースクロックが4.4GHz、ブーストクロックが4.95GHzで動作するとされており、AMDは次期Ryzen 7000プロセッサで5GHzを超えるブーストクロックを実現すると豪語しているだけに、このプロセッサがまだ余力を残していることになる。
Ryzen 5 7600Xのテスト環境は、ASRock N7-B65XTマザーボードとG.SkillのTrident Z5 RGB DDR5-5600 (F5-5600U3636C16G 2x16GB) 32GB(2x16GB)メモリで構成されている。ただし、少し速度の遅いDDR5メモリは、Ryzen 5 7600Xの足を引っ張っている可能性もありそうだ。
Ryzen 5 7600Xは、Intelの現行フラグシップモデルCore i9-12900Kと比較して、最大で22%高いシングルコア性能を実現した。Core i5-12600Kと比較すると、未発表のRyzen 5 7600XはIntelのチップを27%も上回った。さらに、世代間の比較で見ると、Ryzen 5 7600XはRyzen 5 5600Xよりも56%高いシングルコア性能を記録している。
シングルコア性能ではRyzen 5 7600Xが頭一つ抜けていたが、コア数の差からCore i9-12900Kには追いつけない可能性が高い。ちなみにCore i9-12900Kは、Performance(P)コアが8個、Efficient(E)コアが8個の16コアのAlder Lakeプロセッサだ。Core i9-12900Kは、マルチコアスコアでRyzen 5 7600Xを99%上回っているが、これは驚くことではないだろう。
初期のRyzen 5 7600Xのサンプルは、マルチコア性能にやや物足りなさを感じる。UserBenchmarkによると、Core i5-12600KはRyzen 5 7600Xよりも27%高いマルチコア性能を発揮した。しかし、Ryzen 5 7600XはRyzen 5 5600Xに最大23%の差をつけている。
AMDは、この2022年秋にZen 4プロセッサを発売する可能性が高い。一方、Intelはその頃に第13世代Raptor Lakeチップを発売する可能性がある。
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