AMDの株価が3%以上上昇し、その株式時価総額は1530億ドルに達したこの日、ライバルのIntelは株価が9%近く下落し、その株式時価総額は1480億ドルとなった。結果、初めてAMDは時価総額でライバルを上回り、この日は同社にとって歴史的な日となった。
この結果は大変象徴的なことだ。ご存じなように、Intelは自社でチップを設計し、自社のファブ(チップ工場)でチップを製造し販売しているが、対するAMDはチップの設計は自社で行っているが、製造はTSMCなどの外部のファブに委託している。今回のシフトは、投資家が製造設備に多額の投資をしている企業よりも、資産の少ないチップメーカーを評価する可能性を示唆していると言えるだろう。
以前のAMDはIntelに比べて大幅に安い代わりに性能もそこそこと言った印象で、どこまでも二番手のイメージがついて回ったこともあったが、近年のAMDチップは性能面でIntel製品と並ぶ物を作ることで大きく競争力を高めている。アプリケーションによってはそのスピードと効率を上回ることさえある。
Intelの株価下落は、同社の期待外れの第2四半期決算発表を受けての物だ。決算発表の席で、通年の1株当たり利益予想を3.60ドルから2.30ドルに引き下げたと述べている。同社は、PC市場の減速とマクロ経済情勢が今回の業績不振の原因であるとしている。
ちなみにAMDは第2四半期決算発表を本日に控えている。これを受けて同社の株価がどう振れるかによってまた状況は変わるだろう。AMDが世界的なPC販売の不調という荒波の中で、Intelと同じような大きな影響を受けるのかどうかが注目される。
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