アブダビのMGXファンド、OpenAIのチップ開発への出資に向け初期の交渉に入ったと報じられる

masapoco
投稿日
2024年3月17日 2:46
open ai logo
情報信頼度
80/100

アブダビの政府系ファンドMGXが、OpenAIの野心的な計画である独自のチップ製造の確立に資金を提供するため、初期段階の交渉を行っている事がFinancial Timesによって報じられている。

MGXからの資金提供の実現可能性や具体的な内容はまだ明らかにされていないが、協議は初期段階にあるようだ。

UAEは世界的なAIハブになることを目指している。この協議は、UAEがAIの世界的な覇権争いの主要プレーヤーになるという決意の表れでもある。既に同国は、豊富な資源、競争力のあるエネルギー価格、政府の強力な支援を活用し、この分野の投資家や優秀な人材を誘致している。

近年、アブダビは世界初のAI大臣を任命し、AI大学を設立するなど、AIへの野心を強調している。Financial Timesによると、こうした大胆な動きは、OpenAIのSam Altman氏やNVIDIAのJensen Huang氏といった業界のリーダーたちに感銘を与えたと言われている。

UAE大統領の弟であるSheikh Tahnoon bin Zayed al-Nahyan氏は、新たに設立されるMGXファンドはアブダビにAI投資の「ナショナル・チャンピオン」を作ることを目的としていると述べている。Sheikh TahnoonはAI企業G42の監督も務めており、G42はすでにOpenAI、Microsoft、Cerebrasとパートナーシップを結んでいる。

G42と言えば、先日Cerebrasが発表した次世代AIチップ「CS-3」を用いた「Condor Galaxy 3」スーパーコンピューターを所有している事でも知られている。CS-3は、GPT-4の10倍のモデルを訓練できるように設計されているとされている。

チップの独立性を追求するOpenAI

OpenAIのCEOであるSam Altman氏は、AIアプリケーションの主要コンポーネントであるAIアクセラレータのNVIDIA一極集中の現状をどうにかしようと考えているようだ。そのため、新しいAIチップ製造インフラを率先して推進している。同氏は、世界的なAIインフラの構築には今後数年間で7兆ドルものコストがかかると見積もっている

そのために、OpenAI、投資家、チップメーカー、エネルギープロバイダーがパートナーシップを組み、チップ工場のグローバルネットワークを構築することをAltman氏は提案している。

こうした巨額の投資資金を調達するため、OpenAIは資金力のある政府系ファンドとの提携を模索している。アブダビのMGXのほか、シンガポールのTemasekとも協議中であるとFinancial Timesが報じている。

Altman氏は、大手投資家との協議にとどまらず、Samsung、SKグループ、TSMCといった製造大手ともすでに協業の可能性について協議を行っている


Source



この記事が面白かったら是非シェアをお願いします!


  • snapdragon x elite hero
    次の記事

    QualcommのSnapdragon X Eliteの実機ベンチマークテストが流出、Qualcommの主張の正当性が明らかに

    2024年3月17日 7:09
  • 前の記事

    円周率計算の世界記録が更新、小数点以下105兆桁までが求められる

    2024年3月16日 18:03
    pi number

スポンサーリンク


この記事を書いた人
masapoco

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


おすすめ記事

  • Intel glass substrate 5

    Appleがガラスコア基板の採用に向けて協議を進めている

  • openai

    OpenAI、15秒の音声サンプルから感情豊かで自然な音声を合成できる「Voice Engine」を発表

  • a04c35e8e555c1cc7ae1d6a5f3159856

    MicrosoftとOpenAI、1000億ドル以上をかけて超人的AI開発のためのスーパーコンピューター「Stargate」を開発する計画

  • Sam Altman TechCrunch SF 2019 Day 2 Oct 3 cropped cropped

    ベンチャーキャピタリスト、OpenAIのSam Altman氏を“誇大妄想的”と非難

  • sibelco spruce pine

    世界の半導体は米国のたった1カ所の鉱山に支えられている

今読まれている記事