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Wi-Fi 7(802.11be)という名称が最近よく聞かれるようになってきたが、これはまだ電気電子学会(IEEE)によって正式には批准されていない規格であり、Wi-Fi 6がようやく浸透してきた現在を鑑みるに、本格的な普及はまだ当分先となるだろう。だが、メーカーは先駆けてこの技術に対応したデバイスを投入する動きを見せており、Intelが最初のWi-Fi 7コントローラーとアダプタを発表し、2023年中の市場投入を目指していることが明らかになった。

今回明らかになったのは、Intel BE200とIntel BE202と呼ばれる製品だ。どちらのアダプタも2×2のTX/RXストリームをサポートし、2.4GHz、5GHz、6GHzの帯域を使用し、BE200の最大速度は5Gbpsとなり、Wi-Fi 7規格が正式にサポートする最大転送速度(46Gbps)を大幅に下回るものとなっている。BE200とBE202はいずれもPCIeとUSBインターフェースをサポートしており、デスクトップ用マザーボードやノートパソコンに使用できる。2つの製品の違いは不明だが、IntelはBE200がWi-Fi 7の事前認証を受けていると述べている。

Wi-Fi 7は、Wi-Fi 6/6Eに続く次世代のWi-Fi規格だ。IEEE 802.11be Extremely High Throughput (EHT)とも呼ばれ、2.4GHz、5GHz、6GHzの3つの周波数帯域を使用する。

Wi-Fi 7の特徴は以下の通りだ。

  • 最大通信速度は46Gbps
  • 同時接続できる台数は最大16台
  • レイテンシー(遅延時間)が100倍近く減少
  • 連続していない周波数を利用可能

Wi-Fi 7はまた、MU-MIMO(Multi-User Multiple-Input Multiple-Output)やOFDMA(Orthogonal Frequency-Division Multiple Access)のような、Wi-Fi 6やWi-Fi 6Eで導入されサポートされた機能のサポートが義務付けられる。これらの機能強化により、無線接続の効率と容量が最適化されることが期待される。

Intelは当初、Wi-Fi 7を帯域幅を必要とするタスク、特にIntelのWiGig技術を使用するAR(拡張現実)およびVR(仮想現実)ヘッドセットに応用することを想定していた。IEEEは2025年までにIEEE 802.11be仕様を正式に採用する予定だが、Intelなどはこの技術の性能に楽観的で、すでに最初のWi-Fi 7対応コントローラーとアダプターを発売している。

仕様の完全な認定は2024年以降になる見込みで、対応クライアント・デバイスの大々的な展開はその後になる。そのため、最近Wi-Fi 6または6Eルーターを購入したのであれば、全く問題はない。


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