Armが、シングルボードコンピューターメーカーRaspberry Piの少数株式を取得した事を発表した。この投資は、最初のRaspberry Piが発売されるおよそ4年前の2008年に始まった長期にわたるパートナーシップを拡大するものだ。
Armの、IoTインターネット事業ライン担当SVP兼GMのPaul Williamson氏は次のように述べている:
「エッジおよびエンドポイントAIアプリケーションの急速な成長に伴い、Arm上に構築されたRaspberry Piのようなプラットフォームは、開発者がより迅速かつ容易にイノベーションを起こせるようにすることで、高性能なIoTデバイスの世界的な普及を促進するために不可欠です。今回の戦略的投資は、開発者コミュニティに対する当社の継続的なコミットメントと、Raspberry Piイとのパートナーシップをさらに証明するものです」。
一方、Raspberry Pi CEOのEben Upton氏は、Armのテクノロジーは常に同社のプラットフォームの中心であり、今回の開発は「我々の長年の関係における重要なマイルストーン」だとしている:
「当社の現在および将来の製品の基盤としてArmテクノロジーを使用することで、学生や愛好家から、商用IoTシステムを大規模に展開するプロの開発者に至るまで、あらゆる人の参入障壁を取り除き続ける中で、当社が必要とする計算性能、エネルギー効率、広範なソフトウェア・エコシステムへのアクセスが可能になります」。
投資の財務的条件は共有されておらず、Armが購入する株式の規模もわかっていない。
Raspberry Piは4月にもSonyからの投資を受け入れており、ソニーセミコンダクターソリューションズがRaspberry Piに非公開の金額を投資した。Upton氏によると、当時Sonyは5億ドルの評価額で投資したという。
Raspberry Piは世界的なチップ不足の結果、パンデミックの間は苦戦を強いられたが、2023年が終わろうとしている現在、ほぼ軌道に乗っているようだ。9月には、当初は来年まで到着しないと予想されていた新しいボードの予約受付を開始した。
Raspberry Pi 5は、2.4GHzクアッドコア、64ビットArm Cortex-A76プロセッサーを搭載し、OpenGL ES 3.1とVulkan 1.2をサポートするVideoCore VII GPUとペアになっている。このコンボにより、前モデルと比較してCPU速度は2~3倍、GPU性能は2倍に向上し、I/O帯域幅も大幅に増加した。Pi 5はHDMI経由で2台の4K60ディスプレイを同時に駆動でき、さらにデュアルバンド802.11 ac Wi-FiとBluetooth 5.0をサポートしている。
Sources
コメントを残す