2023年9月7日8時42分11秒(日本標準時)、三菱重工業のH-IIAロケットが種子島宇宙センターから打ち上げられた。
今日の打ち上げと一連のミッションは、成功すれば日本がアメリカ、ソ連、中国、インドに次いで5番目に月面着陸を成功させるミッションの幕開けとなる。
快晴の下、ロケットは西太平洋上空を東に旋回。1分50秒の時点で、2本の固体ロケットブースターが核となる第1段から外れ、約6分35秒後にシャットダウンして分離した。13分26秒の時点で第2段が切り離され、14分後に軌道投入。2度目の燃焼とカットオフの後、47分にペイロードは赤道に対して31度傾いた550kmの軌道高度で分離した事が確認された。
小型月着陸実証機SLIM(Smart Lander for Investigating Moon)ミッションは、現代の基準からすると比較的シンプルである。洗濯機ほどの大きさの着陸船で構成され、推進剤なしの重量は120kg。これは、このロボット宇宙船が技術実証機として設計されているからである。具体的には、マシンビジョン技術を使って、事前にマッピングされたクレーターをナビゲートし、目標から100m以内に正確に着陸することが可能であることを示すことが目的である。
SLIMランダーには、ちょっと変わった構造の小型ローバーも2台搭載されている。ひとつは月面探査車1号(LEV-1)で、転がったり歩いたりせず、温度や放射線のデータを収集しながら月面を飛び回る。もうひとつは、タカラトミーの協力を得て製作された月面探査機2号(LEV-2、Sora-Q)である。重さはわずか250gで、このような小型ローバーが月探査にどのように役立つかを研究することを目的としている。
SLIMとともに、この打ち上げにはX線宇宙望遠鏡XRISM(X-Ray Imaging and Spectroscopy Mission)も含まれていた。この望遠鏡の目的は、2016年にX線天文衛星「ひとみ」がソフトウェアエラーによって予期せず破壊されたことによって生じたギャップを埋めることである。チャンドラX線天文台とXMMニュートン・ミッションは15年以上稼働しており、老朽化が進んでいるため、天文学者はスペクトルの軟X線帯のギャップに対処してきた。2035年のATHENAミッションの打ち上げまで、XRISMがこのギャップを埋めることが期待されている。
2つの探査機は現在ドッキングしているが、間もなく分離され、SLIMは搭載されたエンジンを使って月通過軌道に乗る。先日のインドの成功に続く事が期待される。
以下のビデオは、SLIMとXRISMの打ち上げをまとめたものだ。
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