話題のAIチャットボット「ChatGPT」の名を冠した偽物アプリが数多く出回っていることが問題になっているが、開発元のOpenAIは、世界的に人気のこのChatGPTを搭載し、LineやiMessageのようなインターフェースでユーザーが回答を検索できるiOSアプリを開発中のようだ。現在、このアプリのベータ版がテストされており、デモ版がLinkedInで共有されている。
昨年11月にリリースされたChatGPTは、複雑な質問にも会話形式で回答してくれたり、文章の下書きをしてくれたり、それこそ作詞をしてくれたりするなど、まるで人間と対話しているような感覚をもたらす新次元のAIの力を見せつけて、世界的なニュースとなった。
このChatGPTには、OpenAIの新たな大規模言語モデルであるGPT-3.5が用いられており、そのAIアルゴリズムは人間が質問したときの意味を学習するように訓練されている。大規模な言語モデルを使って次にどんな言葉が来るかを予測し、人間のフィードバックを使って指示に従ったり、満足のいく回答を提供する。ChatGPTがGoogleの検索エンジン事業を脅かすと言われているのは、このような能力によるものだ。
OpenAIは、今年前半にも次世代の大規模言語モデルであるGPT-4をリリースすると言われており、その登場によって真に人と見分けが付かないAIが登場する可能性もささやかれている。
起業家、投資家のJason Calacanis氏は、OpenAIの開発中のアプリには現在、検索機能とスレッド履歴がある事が明かしているが、これらの機能は、過去にChatGPTで行われたすべてのコミュニケーションのインデックス化された検索履歴を、スマートフォンのアプリを通じて持つことができる未来を予告している可能性がある。つまり、もう、特定の結果を得るためにどのようなキーワードを使ったかを思い出したり、Webページを思い出すためにブラウザの履歴を探し回ったりする必要もなくなるのだ。
OpenAIは、検索におけるGoogleの優位性に挑戦しており、近い将来、インターネットユーザーの間でトップの選択肢となる可能性が出てくるかも知れない。実際、Microsoftが自社の検索エンジンBingにChatGPTを搭載し、Googleに挑む可能性も示唆されている。
AIを研究する非営利団体としてスタートしたOpenAIには、OpenAI LPという営利部門もあり、そこで研究開発された製品やサービスを販売するソフトウェア企業として運営されている。
新たな報道によると、Microsoftは現在、Open AIに100億ドルを投資することを検討しており、同社の評価額は290億ドルに達するとのことだ。2022年末までに完了する予定だったこの資金調達ラウンドには、ベンチャーキャピタルも参加しているという。
Microsoftは以前、OpenAIに10億ドルを投資しており、AI企業がその技術で利益を上げる方法を見出せば、最終的にOpenAIの利益の75%もの利益を得ることができる。同社のAIを使った画像作成ツール「DALL-E」も収入源となるが、この取り決めはMicrosoftが投資額を回収するまで続くとされている。
加えて、MicrosoftはOpenAIのAI技術をOfficeスイートに統合する計画もあるという。両社の蜜月は今後より強固になる可能性が高いだろう。
Source
- LinkedIn: Jason Calacanisさんの投稿
- via Interesting Engineering: ChatGPT’s insane powerful searches could be coming to your smartphone soon
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