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AMDがRyzen 7000X3D 3D V-Cache CPUを来年早々にも発売するとの噂

AMDが今年発売し、その圧倒的なゲーミング性能で世間の話題を集めたV-Cache搭載CPUの新たな情報がもたらされた。それによると、Ryzen 7 5800X3Dを遙かに超える性能を発揮するようだ。

AMDは9月に新CPU「Zen 4」のラインナップを発表したが、その少し前にRyzen 7 5800X3Dを発売していたこともあり、Zen 4の“V-Cacheバージョン”の有無についてが大きく話題になっていた。

5800X3Dは、控えめなクロック周波数でありながら、特定のタイトルでは驚異的なゲーム性能の向上を実現したこともあり、Zen 4アーキテクチャに関しても、同様な選択肢が提示されることを多くのユーザーが望んでいた。

だが、既にAMDが、公式のロードマップに示していたにもかかわらず、Zen 4発表の席でV-Cacheバージョンの発表はなかった。

そんな中、新しい噂によると、現在、AMDはこのV-Cacheモデルを、以前のように1つだけでなく、複数用意している事が示唆された。

新たな情報は、韓国のQuasarzone氏によってもたらされた。Twitterユーザーの@harukaze5719氏が翻訳してくれている。それによると、AMDはこれまで8コアのCPUを1つしか提供していなかったが、Zen 4では多くの選択肢が出てきそうだ。

情報によると、8コア、12コア、16コアのモデルの登場が示唆されており、これが真実である場合、大きな進化だ。従来は5800X3Dが唯一のV-Cache搭載チップだったが、これはAMD自身にとってもジレンマを伴う物だったに違いない。5800X3Dのゲーム性能は、AMDの上位CPUと共食いしてしまうものだったのだ。実際、Zen 4のレビューが出揃うと、Zen 4と比較して5800X3Dがいかに競争力があるかがわかると、ユーザーによってはあえてZen 4に高いお金を出す必要もないと、古いチップを買うケースも多かったようだ。また、既存のX370マザーボードに搭載できることも魅力的だった。

リークによると、新チップは、16コアの「Ryzen 9 7950X3D」と12コアの「Ryzen 9 790X3D」の2種類となる。8コアのパーツ名は未定で、Ryzen 7 7800X3Dまたは7700X3Dになるようだ。3つのCPUは、いずれも170Wのパーツになるとされている。同社の現行ラインナップでは、ハイエンドに170Wチップが2つあるが、8コアモデルの「Ryzen 7 7700X」は105WのCPUだ。

更に嬉しいことに、ベースとなるCPUよりもクロックが低かった従来チップとは異なり、Zen 4版では同程度のクロックになるとされている。ちなみに、5800X3Dのベースクロック3.4GHzは、ベースの5800Xよりも400MHz遅い。4.5GHzのブーストクロックは200MHz遅い。このようにクロックが低いにもかかわらず、ゲーミングベンチマークでは圧倒的な強さを発揮している。

クロックの向上だけでなく、L3キャッシュも前バージョンから倍増される。Videocardzによれば、5800X3Dは96MBのL3を提供していたが、新バージョンは192MBになるとのことだ。このキャッシュとZen 4による高クロックの組み合わせは、魅力的な組み合わせと言えるだろう。5.7GHzの7950X3Dは、Intelの13900Kを脅かす存在となりうる。

これらのチップの登場については、予想よりも早そうだ。噂では、来月、CESに登場すると伝えられている。つまり、CESで発表され、1月23日に販売されることになるとのことだ。これは、Zen 3の発売から数年後にやっとV-Cacheチップを発売した状況から考えると、大きな変化だろう。AMDがあえて既に発売しているZen 4とカニバリズムを起こす可能性のあるものを早期に発売するのか?それは、Zen 4の売れ行きが予想より悪かったためかもしれないし、単にIntelとの競争を回避するためかもしれない。

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masapoco

TEXAL管理人。中学生の時にWindows95を使っていたくらいの年齢。大学では物理を専攻していたこともあり、物理・宇宙関係の話題が得意だが、テクノロジー関係の話題も大好き。最近は半導体関連に特に興味あり。アニメ・ゲーム・文学も好き。最近の推しは、アニメ『サマータイムレンダ』

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