日本政府は、長期的な国産マイクロエレクトロニクス産業の発展には、地元の半導体サプライチェーンが重要であると認識し、地元のチップメーカーに補助金を出すプログラムを開始した。7月にKioxiaとWestern Digitalに6億8000万ドルの補助金を出したのに続き、日本政府はMicronの広島事業を465億円(3億2000万ドル)で支援する計画を発表した。この資金提供は、Micronが日本に極端紫外線(EUV)リソグラフィーを導入するのに役立つかもしれない。
Bloombergの報道によると、Micronは日本の経済産業省から資金提供を受ける。この補助金は、Micronが2013年にエルピーダを買収した際に手に入れた広島近郊の工場で、「最先端のメモリーチップを大量生産する」のに役立つという。
Micronは、DRAM製品の大部分を広島近郊の拠点で生産しており、国内で重要な研究開発事業を展開している。DRAM工場を常に最新の状態に保つために、Micronや他のメモリメーカーは常に新しい製造技術を採用し、生産能力を高めるための新しい設備を導入しなければならず、それには多額の投資が必要だ。最近の半導体業界では、設備投資(CapEx)が非常に高くなっているため、Micronなどのチップメーカーは政府からの支援やインセンティブを求めている。彼らは、助成金やさまざまな奨励金を受け取る可能性があることを踏まえて、自らの支出を計画しているのだ。
3億2000万ドルは大金だが、Micronが広島の拠点拡張にどれだけの資金を費やすかはまだわからない。ちょうど昨日、同社は2023年度のCapEx予算を前年比30%減の80億ドル程度に減らしたと発表した。このため、1ß DRAMと232層3D NANDの立ち上がりは、工場に多くの新しい装置が必要になるため、事前の予想よりも大幅に遅くなるという。また、1γ(ガンマ)ノードの開発に対応するため、EUV露光装置の調達計画も継続している。
日本政府からの3億2,000万ドルの助成金は、広島事業所のWFE CapEx予算として、来年、日本で1ß DRAMノードを立ち上げるか、新しいEUVツールを調達して2024年に日本でEUV対応の1γ DRAM製造技術を立ち上げるために使われる可能性がある。1.5GビットDRAMの製造プロセスに関する多くの事項(例えば、どの装置をどこに配置するかなど)が今までに決まっていることを考慮すると、この助成金は、ASMLのEUVスキャナーと同社の1GビットDRAMに関わる、Micronの広島工場の次の拡張に使われる可能性がある。
Source
- Bloomberg: 西村経産相、米マイクロンの広島工場計画認定-最大465億円助成
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