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中国のチップメーカー龍芯(Loongson)が独自CPUでRyzen 5000シリーズのAMD CPUに匹敵する性能を達成

中国のファブレスチップメーカーLoongson(龍芯)は、同社の次世代CPUである3A6000が、Zen 3やTiger Lakeに匹敵するシングルコア性能を達成したと報じている。これは、同社が昨年リリースした3A5000から最大68%の性能向上により達成したとのことだ。


昨年、LoongsonはDDR4-3200デュアルチャンネルメモリをサポートするGS464Vマイクロアーキテクチャ、標準暗号化モジュール、各コアに256ビットベクターユニット2個、ALU(Arithmetic Logic Unit)4個を搭載したCPU「3A5000」プロセッサを発表していた。

そして、この度Loongsonは、半期に一度の投資家向け電話会議で、新設計のマイクロアーキテクチャを採用し、AMDのZen3(現行CPU、Ryzen5000で採用されている)に匹敵する性能を持つ次世代CPUとして、6000シリーズを発表した。新しいマイクロアーキテクチャは、3A6000にて以下の性能向上を記録している。

  • シングルコア(浮動小数点演算)のパフォーマンスが68%高速化
  • シングルコア(固定小数点)性能37%向上

性能の測定は、ベンチマークスイートのSPEC CPU 06を用いて行われた。IntelのTiger Lake(第11世代)とAMDのZen3のSPEC Benchmarkの結果を合わせて掲載する。

  • Loongson 3A6000 – 13/G
  • AMD Zen 3 CPU – 13/G
  • Intel Tiger Lake – 13+/G
  • Intel Alder Lake – 15+/G

これらのCPUがAlder Lakeに僅かに及ばない程度であることを考えると、中国が独自に開発したCPUがここまでの性能を発揮しているのは非常に印象的だ。ただし、今年AMDとIntelは、それぞれZen4とRaptor Lake(第13世代)という、これまでのZen3やAlder Lakeに比べてマルチコアで40%以上の性能向上が見られる製品をリリースすることは留意すべき点だろう。しかし、メインストリームの中国市場にとって、米中関係から、GPUを始め様々な制限を課されている中でのこれらのCPUの登場は大きな意義を持つ。

クロック速度に関しては不明だが、、Loongsonは、これらのCPUがAMDのRyzenおよびEPYCシリーズをターゲットにしていると述べている。

Loongsonは、3C6000の16コアのバージョンを2023年頃に発売する予定だ。一方、32コアの製品は2023年後半に登場する。7000は2024年に64コアという大規模なラインナップで登場する予定とのことだ。

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masapoco

TEXAL管理人。中学生の時にWindows95を使っていたくらいの年齢。大学では物理を専攻していたこともあり、物理・宇宙関係の話題が得意だが、テクノロジー関係の話題も大好き。最近は半導体関連に特に興味あり。アニメ・ゲーム・文学も好き。最近の推しは、アニメ『サマータイムレンダ』

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