AMDは本日、同社の最新CPUとなる、「Ryzen 7000」シリーズを発表した。ラインナップは世界最速CPUを謳う16コア699ドルのフラッグシップ「Ryzen 9 7950X」から、Zen 4プロセッサの参入ハードルが最も低い6コア299ドルの「Ryzen 5 7600X」まで、4つの新モデルからなる。
Ryzen 7000は、デスクトップPC向けの初の5nm x86チップとなるが、AMDの最新チップは、前世代モデルよりもコア数の増加は見られない。しかし、クロック周波数は最大5.7GHzと、前世代よりも800MHz向上しており、新しいZen 4マイクロアーキテクチャによるIPCの最大13%向上と相まって、大きな性能向上が見込まれる。結果、シングルスレッド性能は前世代のチップに比べて29%向上している。この高性能はマルチスレッド・ワークロードにも及び、AMDは一部のスレッド・ワークロードで最大45%の性能向上を謳っている。
AMDのCEOであるLisa Su博士が、次世代AMD RyzenデスクトップCPUのリリースに向け、「together we advance_PCs」ライブストリームイベントにおいて、Ryzen 7000などを発表した。
Computex 2022で発表されたAMDのRyzen 7000に続き、AMDのZen 4アーキテクチャベースの最初のCPUファミリーの発売計画が示され、AMDはエンスージアスト向けチップ4種をまずはリリースする事を発表した。フラグシップモデルの16コアのRyzen 9 7950Xを初めとしたAMDのRyzen 7000チップは、4週間後の9月27日に発売される。
この最新世代のデスクトップ用CPUでAMDが利益を上げる原動力となっているのは、Zen 4アーキテクチャを支えるアーキテクチャの改善と、CPUコア・チップレットの生産をTSMCの最先端5nmプロセスへ移行することだ。この組み合わせにより、AMDはZen 3アーキテクチャに比べてIPCを13%向上させ(Computex時点では11%とされていた)、CPUクロックも大幅に向上させるとしている。最上位のRyzen 9 7950Xは、最大ターボクロックが5.7GHzとなり、同等のRyzen 9 5950Xから800MHz(16%)向上している。その結果、AMDはシングルスレッド性能で29%、マルチスレッドワークロードでそれ以上の世代交代を実現するとのことだ。
新しいRyzen 7000シリーズ・チップと同時に発売されるAMDのAM5プラットフォームは、少なくとも2025年までAMDのコンシューマー向けデスクトップ・プラットフォームの基礎となる。AM5では、AMDのチップでDDR5とPCIe 5.0がサポートされ、新しいLGAソケットも導入される。現在、X670 Extreme、X670、B660 Extreme、B660の4種類のチップセットが予定されており、X670シリーズは9月に、B660シリーズは10月に発売される予定となっている。
Ryzen 7000ファミリー:4つのラインナップ
AMDは、4つのハイエンドプロセッサのグループを中心に構築されたエンスージアスト向けデスクトップの発売でIntelとの戦いの火蓋を切って落とすようだ。
AMDがComputexで発表したように、Ryzen 7000チップは最高で16コアとなり、前世代と今世代でコア数が変わらないことになる。AMDのトップSKUは16コアを搭載し、次いで12コア、8コア、そして最後に6コアのCPUコアを搭載する。そして、これまでと同様に、AMDは最大2個のZen 4 CPUコアチップレット(CCD:Core Complex Die)を使ってチップを製造し、CCDは最大8個のZen 4 CPUコアを搭載する。このCCDの組み合わせによってコア数を調整している。
コア数/スレッド数 | ベースクロック | ターボクロック | L2キャッシュ | L3キャッシュ | TDP | 希望小売価格 | |
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Ryzen 9 7950X | 16C / 32T | 4.5GHz | 5.7GHz | 16 MB | 64 MB | 170 W | $699 |
Ryzen 9 7900X | 12C / 24T | 4.7GHz | 5.6GHz | 12 MB | 64 MB | 170 W | $549 |
Ryzen 7 7700X | 8C / 16T | 4.5GHz | 5.4GHz | 8 MB | 32 MB | 105 W | $399 |
Ryzen 5 7600X | 6C / 12T | 4.7GHz | 5.3GHz | 6 MB | 32 MB | 105 W | $299 |
ちなみに、AMDは現時点では統合RDNA2アーキテクチャのGPUについて、これ以上の詳細を開示していない。つまり、Ryzen 7000チップはすべてiGPUを搭載しているものの、そのスペックは不明と言うことだ。なお、AMDは、これらのデスクトップチップのiGPUは、基本的なデスクトップ作業用の比較的小さな構成であり、AMDのAPUのような高性能GPUとして設計されていないことを各所で明らかにしている。
世界最速のCPU Ryzen 9 7950X
Zen 4 CPUラインナップのフラグシップモデルが「Ryzen 9 7950X」となる。AMDのZen 4アーキテクチャの最高峰で、全てのコアが有効となったCCDを2つ使用して、合計16個のCPUコアを搭載する。ベースクロックは4.5GHz、ターボクロックはシングルスレッドで最大5.7GHzと、TSMCの5nmプロセスによって非常に高いクロック周波数が実現されている。ターボクロックは、AMDのComputexでの発表では5.5GHzにとどまっていたが、実際には200MHzも高いことが判明した。
AMDは、このチップに80MBのキャッシュを搭載している。これは、64MBのL3キャッシュ(各CCDに32MB)と、1MBのL2キャッシュが各Zen 4 CPUコアに搭載されていることになる。はRyzen 5000/Zen 3ファミリーに搭載されているL3キャッシュと同じ量だが、1コアあたりのL2キャッシュの量は前世代よりも倍増している。
7950Xは、AMDのメインストリームデスクトップZenチップとしては、これまでで最も電力を消費するチップとなる。このチップのTDPは170Wで、以前のAMDの開示からわかっているように、これらのチップのPower Package Tracking(PPT)の上限は230Wとなる。以前のRyzen 5000チップでは、すべてのCPUコアが高負荷状態にあるときにTDPが制限されることが多く、そうでなければサポートできるはずの高いクロックスピードを達成できないことがよくあったため、これはAMDが平均ST性能向上を上回るこれほど大幅なMT性能向上を実現している大きな理由の1つとなっている。
意外なことに、新しいフラッグシップチップの価格は699ドルとなっている。これは、2020年後半に799ドルで発売された5950Xの発売価格より100ドルも安いことになる。このチップの高い値段設定は評判が良くなかったが、それでもAMDは需要と供給のバランスは取れていた。今回少し価格が下がったことで更なる需要が見込まれる。
今後IntelのRaptor Lakeが発売されれば良い競合相手になるだろうが、しばらくは世界最速のコンシューマー向けCPUとして君臨することになる。
Ryzen 9 7900X
7950Xの下に位置するのがRyzen 9 7900Xだ。こちらも2CCDだが、各CCDで6コアのみが有効となり、合計12CPUコア/24スレッドとなる。7950Xに搭載されていた64MBのL3キャッシュもそのまま搭載されている。
TDPを7950Xと同じ170Wに設定した7900Xは、実はベースクロックが少し向上している。7950Xよりも200MHz高い4.7GHzをベースとする。しかし、最大ターボクロックは5.6GHzで、7950Xを少し下回る。したがって、最高のシングルスレッド性能を求めるなら、7950Xはシングルおよびマルチスレッドワークロードの両方で最速の選択肢となるよう位置づけられている。
Ryzen 9 7900Xの価格は549ドルで、これはAMDの以前の12コア製品である5900Xと同じ価格となる。
Ryzen 7 7700X
AMDのRyzen 7000の製品で3番目に位置するのがRyzen 7 7700Xだ。これは、前世代のAMDの5800Xに対応する8コアのZen 4である。前世代と同じく、CCDは1つとなるが、CCDは7950Xと同様に全てのコアが有効となったCCDだ。ベースクロックは4.5GHz、ターボクロックの最大値は5.4GHzとなる。
CCDが1つなので、L3キャッシュも32MBに半減している。Zen 4 CPUコアの8MBのL2キャッシュと合わせると、AMDはこのチップを合計40MBのキャッシュを提供する。
一方、12コアや16コアのチップとは異なり、7700Xは105ワットという、これまでと同じレベルのTDPとなる。ただし、これにより、チップの電力供給(および冷却)が容易になる。CPUコアの数が少ないため、利用できるシリコンは少なくなるが、これは、AMDがクロック周波数を高めるための電気的余裕も得られないことを意味する。
7700Xの価格は399ドルで、7950Xと同様、前世代(5800Xは449ドル)よりわずかに値下がりしている。
Ryzen 5 7600X
Ryzen 7000の最後を飾るのは、Ryzen 5クラス唯一のチップ「Ryzen 5 7600X」だ。前モデルと同じく6コアで、合計12スレッドとなる。CPUコアのうち2コアを無効化したZen 4 CCDを1つ搭載している。
ベースクロックは4.7GHz(7900Xと同程度のブースト)、ターボクロックはRyzen 7000初期チップの中で最も低い5.3GHzとなる。しかし、Zen 4プロセッサーの中で最も遅いにもかかわらず、AMDは、7600Xが平均してIntelのCore i9 12900Kよりもゲームにおいて5%高速であると主張している。
ただし、このチップはTDPの引き上げが行われている。前世代のAMDの6コアチップが65Wだったのに対し、今は一番下のチップでも105Wからとなっている。
Zen 4アーキテクチャの詳細:デスクトップIPCは13%増、AVX-512も搭載
これらの新CPUを支えているのが、AMDのZen 4アーキテクチャだ。CTOのMark Papermaster氏は壇上で、Zen 4アーキテクチャに関する追加の技術的な詳細を明らかにした。
まず、AMDはZen 4のIPCの見積もりを修正した。チップとファームウェアのチューニングを続けた結果、「典型的なデスクトップアプリケーション」では、Zen 3に対してIPCが平均13%向上しているという。
AMDによると、4GHzのクロック周波数で固定した場合、ワークロードによって1%から39%の向上が見られるという。正確なパフォーマンスの向上はタスクによって異なるが、それでも、AMDのベンチマークの多くは、この13%というマークにかなり近い値になっているという。
この世代では、Papermaster氏は、IPCの内訳を示している。これにより、Zen 4のさまざまなアーキテクチャ変更が全体のIPC向上にどのように貢献したかが判明した。
AMDによれば、この世代で最も貢献したのは、新しいフロントエンド、ロード/ストアの改良、そして分岐予測器、実行エンジン、CPUコアあたり1MBのL2キャッシュの改良だという。Papermaster氏は実行エンジンのオペランドキャッシュのサイズが50%増加したとしており、AMDがZen 4でCPUコアレベルで各種キャッシュをかなり弄っていることが明らかになった。
また、Papermaster氏は、Ryzen 7000シリーズを含むZen 4が、AVX-512命令をサポートすることを初めて明らかにした。AVX-512は規格が乱立しているため、ファウンデーション(AVX-512F)命令以外に、AMDがどのサブセットをサポートするかはまだ完全には明らかになっていない。しかし、Papermaster氏は、サポートする追加サブセットの中に「Vector Neural Network Instructions (VNNI)」があることを明らかにしている。
ただし、IntelがAVX-512命令を実行するために、512bit幅の真のSIMDマシンを構築したのに対して、AMDはそうしなかった。その代わり、AMDはこれらの命令を2サイクルに渡って実行する。つまり、AMDのAVX-512命令の実装は、AVX-512の一部である追加命令やレジスタファイル空間、その他の技術的な改良の恩恵をまだ受けているが、生来のSIMDスループットの2倍は得られないということだ。
AMDの決断の根拠について、Papermaster氏は、AMDのSIMD設計を256ビットにとどめた最大の理由として、真の512ビットSIMDブロックに必要な極めて高い電力要件を挙げている。すでにAVX-512をサポートしたIntelのチップで見たように、512-bit SIMDの膨大なスループットとその高密度は、使用時の電力消費を激しく上昇させ、消費電力と熱を抑えるためにIntelのチップはAVX-512ワークロードでダウンクロックする必要がある。256ビットという狭いSIMDを使うことで、AMDは一度にそれほど多くのトランジスタを使用する必要がなくなり、その分クロック速度と消費電力をより一定に保ちやすくなるのだ。
最後に、AMDのCPUコアとそのチップレットに対する、TSMCの5nmプロセスの効果も見逃せない。AMDのCCDチップレットは、Ryzen 3000(Zen 2)世代とRyzen 5000(Zen 3)世代の両方でTSMCの7nmを採用しており、AMDのデスクトップCPUは3年以上前から7nmプロセスだった。そのため、5nmへの移行は久々で、AMDがデスクトップCPUでフルノードシュリンクを行うのは久しぶりのこととなる。
5nmのメリットは、クロックスピード、消費電力、ダイサイズなど、あらゆるところに表れている。特にクロックスピードの向上は、数世代前にIntelに対してクロックスピードの劣勢に直面し、その結果、AMDのシングルスレッド性能全体が制限されていたAMDにとって大きな転換となる。現在、AMDのトップチップは5GHzをはるかに超え、13%のIPC向上に加えて、クロックスピードも大幅に向上し、シングルスレッド性能は合計で29%向上している。
一方、AMDがZen 4で追加したアーキテクチャ(ダブルサイズの1MB L2キャッシュなど)にもかかわらず、Zen 4 CPUコアとその関連キャッシュは、Zen 3コアとそのL2キャッシュ(512KB)よりも小さくなっている。Papermaster氏によれば、Zen 4コアのサイズは3.84mm2で、前モデルより18%小さくなっている。さらに彼は、IntelのAlder Lakeプロセッサに搭載されているGolden Coveコアのサイズとの比較も行っている。AMDの数字によれば、Zen 4コアはGolden Coveコアのちょうど半分のサイズであり、ダイサイズ(ひいては製造コスト)でAMDが大きなアドバンテージを持つことになる。
TSMCの5nmプロセスがIntel 7プロセスに対して密度で大きくリードしていることは以前からわかっており、それがAMDのサイズ面での優位性に大きな影響を与えていることは間違いない。とはいえ、AMDがZen 4をリーダークラスのデザインにしようと懸命に努力しているように、面積効率はAMDが競合し、Intelに勝っている側面の1つでもある。
最後に、Papermaster氏はついでに、AMDが使っているメタルスタックのサイズも公開した。AMDは全部で15層の伸縮式スタックを採用している。
Zen 4 vs. Zen 3:パフォーマンスプレビュー
アーキテクチャの変更とTSMCの5nmプロセスによって、AMDは、地球上で最速のデスクトップCPUを開発した。Ryzen 7000チップは、Intelの現行チップとAMDの前世代Ryzen 5000の両方から大幅な性能向上が見られるとしている。
Ryzen 7000 (Raphael) | Ryzen 5000 (Vermeer) | Ryzen 3000 (Matisse) | |
---|---|---|---|
CPUアーキテクチャ | Zen 4 | Zen 3 | Zen 2 |
最大CPUコア/スレッド数 | Up To 16C / 32T | Up To 16C / 32T | Up To 16C / 32T |
GPUアーキテクチャ | RDNA2 | なし | なし |
GPUコア | 不明 | なし | なし |
対応メモリ | DDR5 | DDR4 | DDR4 |
対応プラットフォーム | AM5 | AM4 | AM4 |
CPU PCIeレーン数 | 24x PCIe 5.0 | 24x PCIe 4.0 | 24x PCIe 4.0 |
製造プロセス | CCD: TSMC N5 IOD: TSMC N6 | CCD: TSMC N7 IOD: GloFo 12nm | CCD: TSMC N7 IOD: GloFo 12nm |
AMD発表に際し、新たなCPUのパワーとパフォーマンスについてベンチマークテストを公開した。
興味深いのは、AMDが65W、105W、170Wの3種類のTDPで性能数値を提示していることだ。最も性能が向上するのは、実は最も低いTDPの時で、7950XではCinebench R23 MTの性能が74%向上している。これらの利点は、TDPが上がるにつれて実際に減少し、105Wでは37%に低下し、最終的に170Wでは35%になった。
これは、AMD がエネルギー効率に注力し、TMSC の 5nm プロセスと組み合わせることで、全体的に、特に低 TDP において大きな利点をもたらしたことを強調するものだ。AMDのZen 4 は前モデルよりも大幅に電力効率が向上しており、AMDがクロックスピードに全力を注いだ場合でも、Zen 4は依然として優位に立つことができる。
全体として、AMDはZen 4がZen 3より最大49%高いパフォーマンスを実現すると主張している。これは “最大”の数字であり、平均値ではないことに注意したい。しかし、これは、Zen 4がそのベストを尽くしたときに、どのような能力を発揮するはずかを示すものだ。
一方、Cinebenchとは別の方向からの数値によると、Zen 4(7950X)は、Zen 3チップ(5950X)と同レベルの性能で最大62%も消費電力が少なくなるとのことだ。
ライバルであるIntelとの比較では、AMDは同じように強気な数字を提示している。例えばChaos V-Rayでは、AMDは7950Xが12900Kよりもワット当たり47%優れたパフォーマンスを提供すると主張している。
また、ゲーミングワークロードでは、6コア7600Xでも12900Kを平均5%上回るとのことだ。
AMDは、Ryzen 7000シリーズが12900Kよりも11%優れたゲーム性能を実現し、高度にマルチスレッドなコンテンツ作成アプリケーションで44%優れた性能を実現すると主張している。独自の評価でこれが真実であると証明されれば、Ryzen 7000は、この次世代PCプロセッサーの先頭に立つことになるのは間違いないだろう。
Ryzen 7000:9月27日発売予定
AMDのZen 4の幕開けは、9月27日となる。この日、Ryzen 7000の初期CPU全4種と、関連するAM5プラットフォーム・マザーボードの第1陣が販売開始となる。
AMDによると、Ryzen 7000チップの全体的な供給は良好になるとのことだ。新しいハイエンドハードウェアの発売日割り当て分が売り切れるのはよくあることだが、Ryzen 7000チップは潤沢であるべきだとのこと。つまり、チップと基板不足のピークに非常に近かったRyzen 5000の発売とは異なり、Ryzen 7000チップはより定期的に入手できるはずだ。そして、AMDは、それを確実に実現するために、ウェハと基板のキャパシティに投資している。
一方、マザーボード面では、AM5ボードの発売が2カ月に渡って行なわれる予定だ。最初の9月27日の発売では、AMDのボードパートナーがハイエンドのX670/X670Eボードを用意する予定だ。よりメインストリームなB650ボード(新発表のB650Eチップセットを含む)は、その1カ月後に登場する。したがって、購入希望者は、発売と同時にX670ボードを手に入れるか、より安価なB650ボードを手に入れるのを待つか、どちらかを選択しなければならない。
AMDによれば、マザーボードの価格は125ドルからになるという。これは、PCIe 5.0の機能を持たないエントリーレベルのB650ボードの価格と思われる。PCIe 5.0によって、B650Eやその他のボードの価格が上がることは間違いないが、現時点では、PCIe 5.0によってAM5マザーボードの製造コストや小売価格がどの程度上がるかについては明らかになっていない。
AM5ボードと合わせて、27日にはRyzen 7000シリーズ向けに特別にチューニングされた初のファクトリー・オーバークロック・メモリ・キットもリリースされる。この世代では、AMDはEXtended Profiles for Overclocking(EXPO)規格を提供する。これは、工場出荷時のオーバークロックメモリ用にあらかじめプログラムされたプロファイルに関して、IntelのXMP DIMMに対応するAMDの規格である。AMDは、発売時に少なくとも15種類のEXPO対応メモリキットを用意し、最大速度のDDR5-6400に対応する予定だ。
AMDは、この世代でリーダーシップを発揮することを目指している。9月27日の発売では、実際にこの新しいチップの大幅な性能向上を目の当たりに出来るはずだ。
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