先週、Samsungが7月25日に世界初の3nmチップを公開することが明らかになったが、本日、同社は予定通り、世界初となる3nm GAAチップの初出荷式典を、京畿道華城キャンパス内のEUV専用となるV1ラインにて開催した。
Samsung : 삼성전자, 3나노 파운드리 양산 출하식 개최
イベントには、韓国の通商産業エネルギー部長官であるChangyang Lee氏、Samsung Electronics DS CEOのKye Kyung-hyeon氏、3nm GAAチップの開発・量産に参加した社員など、約100名が出席した。イベントの中でSamsungは、“革新的な技術で世界一を目指す”という抱負を述べている。
3nm GAAチップの実現に当たっては、様々な技術的ハードルがあったが、これらはSamsungの他の事業部門や、グローバルな製造・インフラパートナーとの協働による、“会社を超えたコラボレーション”によって解決されたと、Samsung FoundryのJeong Ki-tae副社長は述べている。
Samsungの3nmチップは、既存のFinFETよりも高い電力効率と高速性能を実現するいわゆるGAA(Gate All Around)FETの1つである、「MBCFET」によって製造されている。同社によると、MBCFETの導入により、「50%の省電力、30%のパフォーマンスアップ、45%の面積削減」が期待できるとのことだ。
これらは、最先端のサーバーやデータセンター向けの高性能コンピューティングチップの製造に使用される予定だ。また、スマートフォン、タブレット、ウェアラブルデバイス、ノートパソコン、PCなどのハイエンドチップの製造にも使用される。
Samsungは2000年代初頭にGAA技術の開発を開始し、2017年に3nmチップへの適用に成功した。数年にわたる研究開発の後、同社は新しいチップの試作を開始した。初期生産分となるこれらのチップは、中国の暗号通貨マイニング企業に供給されるとのことだ。
半導体受託製造分野でSamsungの主要なライバル企業であるTSMCは、2022年第4四半期のいずれかにAppleの次期M2 Pro/M2 Max向けに3nmチップを製造すると言われている。両社は、AMD、Apple、MediaTek、Nvidia、Qualcommといった大口顧客からの注文を獲得するために熾烈な争いを繰り広げている。
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