AMDのFSR2.0が初めて披露されてからしばらく経ち、いよいよ5月12日に正式リリースとなるが、それに先立つ形で詳細なレビューが報告されている。結論から言うと、FSR2.0は「DLSSキラー」だそうだ。
AMDの今年最大の話題のソフトウェアリリースの一つとなるであろうFSR2.0(FidelityFX Super Resolution2.0)は、NVIDIAのDLSSとは異なり、Tensorコアのような特別なアクセラレータを必要としない新しい超解像技術だ。
空間的アップスケーリング技術だったFSR1.0とは異なり、FSR2.0は時間的アップスケーリング技術であり、ゲーム開発者による調整が必要となるため、実装はFSR1.0より複雑となるようだ。しかし、AMDは、競合技術であるNVIDIA DLSSをすでにサポートしているゲームでは、FSR2.0の実装にかかる時間は、すでに難しい作業(モーションベクトルの統合など)が終わっているため、数日程度で済むだろうと述べている。
AMD FSR2.0は、オープンソースとなっており、GeForceでも動作する。実際、今回のTechPowerUPのレビューは、AMDではなくGeForce RTX 3060グラフィックスカードを用いているようだ。これは、FSR2.0とDLSSをサポートするゲームである『Deathloop』を同等の環境でテストするためにも必要な措置だった。
レビューでは、FSR2が「DLSS2.0と同じくらい素晴らしく見える」と述べている。画質はDLSSよりも良い場合もあるが、これはすべてクオリティモードでの話だ。実際にFSR2.0とDLSSの違いを見つけようと思えば見つけることも出来るだろうが、あまりに差が小さいため、一部のゲーマーにとっては、FSR2.0とDLSSの選択は好みの問題になってくるかもしれない。
逆にパフォーマンスモードはDLSSに適しており、特にテクスチャが多く使われるシーンで威力を発揮するとレビュアーは報告している。この点はAMDは明らかにまだ微調整が必要なようだ。
時間的アップスケーリングの最大の問題は、ゴーストである。ここでは、FSR2.0では確かにゴーストが発生しているが、リリース当初のDLSS2.0で見られたものとはかけ離れていることが指摘されている。むしろDLSSのビジュアルアーティファクトの方が若干気になるとのことだ。
AMD FSR2.0は、Deathloopのアップデートとして本日リリースされる。同社は最近、今後数週間のうちにFSR2.0サポートを受ける10種類のゲームを発表している。
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