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パトリオットミサイル防衛システムとは何か?

ウクライナのVolodymyr Zelensky大統領がロシアの侵略以来初めて訪米し、Joe Biden米国大統領と会談したが、米国は、ロシアによるウクライナ侵攻に対抗するため、地上配備型迎撃ミサイル「パトリオット」1基を含む総額18億5000万ドル(約2400億円)規模の追加軍事支援の供与を伝えるなど、連帯を確認した。

大きな話題となっている、「パトリオットミサイル」だが、ロシアがなぜそれを危険視し、なぜそこまで重要なのだろうか?

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パトリオットミサイル防衛システムとは?

Raytheon Technologiesが開発したパトリオット(Patriot)は、「Phased Array Tracking Radar for Intercept on Target」(直訳:目標物迎撃用追跡位相配列レーダー)の略で、空中からの脅威に対抗するための地対空ミサイルシステムである。1991年の湾岸戦争で初めて配備され、サウジアラビア、クウェート、イスラエルの各地域を守るため、このシステムは用いられてきた。現在、日本を含む17の国で採用されている。

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(Credit: Raytheon)

強力なレーダー、管制所、発電機、発射所からなるこのシステムは、移動可能で、およそ160kmと言う長大な射程を持つ。システムは最大8基の発射台が構成でき、それぞれが4〜16発のミサイルを搭載することができる。

パトリオットシステムには、主にブラスト破片弾頭を搭載した迎撃ミサイルPAC-2弾道ミサイルへの対処能力を高めたPAC-3など、複数のミサイルが使用されている。ミサイルのPACは、「Patriot Advanced Capability」の略である。

費用はどのくらいかかるのか?

戦略国際問題研究所(Center for Strategic and International Studies)の試算によると、パトリオットシステムは、弾薬と合わせて10億ドル以上かかると言われている。基本システムが4億ドルで、ミサイルが6億9000万ドルである。

ウクライナへの貢献は?

ロシアの侵略に抵抗してきたウクライナ軍は、このところミサイルやドローンによる攻撃の嵐にさらされている。これらの攻撃は電力インフラも対象としており、ヨーロッパが寒い冬に向かう中、電力網を脅かしている。

ウクライナは、米国が先にNASAMS(National Advanced Surface-to-Air Missile Systems)を供給したにもかかわらず、こうした攻撃に対する防空体制を強化するための追加支援を求めている。パトリオットミサイル防衛システムは、米国が保有する最高のソリューションであり、ウクライナの重要な資産を保護するために供給されている。

ウクライナはいつパトリオットシステムを配備できるのか?

Reutersの報道によると、パトリオットシステムはドイツに輸送され、ウクライナの兵士が同システムに関する訓練を受ける予定である。パトリオットシステムの運用クルーは3名だが、米軍では通常、防空システムのには90名が配属され、メンテナンスクルーや通信の専門家も含まれる。

パトリオットの訓練は通常、数カ月に及ぶ。しかし、Raytheonは長年にわたり、パトリオットシステムのユーザーインターフェースの改良に取り組んでおり、ウクライナ軍を迅速に訓練し、その後、システムを配備することができるようになっている可能性もある。

パトリオットシステムの効果に対する疑問

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(Credit: Raytheon)

Raytheonはパトリオットシステムを240基以上製造し、世界17カ国以上に配備している。世界で最も先進的な軍備の一つである一方、ロシアの脅威に対抗する最も効果的な手段であるかどうかは疑問視されている。

ロシアが紛争で使用した無人機はイラン製で、安価に入手できる部品を使って組み立てられている。ロシアの要請に応じて、イランはこれらの無人機を何百、何千と供給することを約束しており、パトリオットのような高度なシステムは、こうした群衆の脅威に対抗する最も経済的な方法とは言えないかもしれないのである。

さらに、すでに世界的なニュースになっているこのシステムの配備は、ウクライナに到着した瞬間からロシアの優先目標に載り、できるだけ早く破壊するためにあらゆる試みがなされることを意味すると、Reutersは述べている。

また、パトリオットミサイルシステムは防空システムであり、ウクライナの資産を保護する以外に、8ヶ月以上続いている戦争の流れを変えるまでにはならないだろう。

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