Adobeが同社の画像編集アプリケーション「Photoshop」のWebアプリをテスト中だという。無料で基本機能の一部が使え、有料で全ての機能が使えるフリーミアムモデルを採用したこのアプリは、現在カナダの一部ユーザー限定でテストが行われている。
- Adobeは、Web上で無料版のPhotoshopをテストしている。
- ツールの基本機能が含まれており、有料サブスクリプションに加入するとプレミアム機能が使えるようになっている。
- フリーミアムバージョンは現在、カナダのユーザー向けの限定テストの一部として利用できる。
無料でPhotoshopの一部機能を使えるようにし、より多くのユーザーを獲得したい考え
画像編集と言えば「Photoshop」というくらい、一般的にも名前が知れているアプリケーションだが、昔から高額だったそのライセンス料金は、無料または安価な代替サービスを好む一部のユーザーに敬遠されてきた。Adobeは、Web上でPhotoshopの無料版を導入することで、そういったユーザーに同社製品に触れてもらい、その上で有料プランへの移行を促したい考えのようだ。
The Vergeによると、同社は現在、Photoshopを多くのユーザーに利用してもらおうとする取り組みの一環として、カナダで無料のウェブ版Photoshopをテスト中だという。この無償提供がより広い範囲で行われるようになるのかは不明だ。
Adobeのデジタルイメージング担当副社長であるMaria Yap氏は、The Vergeへの声明の中で、Photoshopを “より多くの人が試し、製品を体験しやすくすること “が目的であると述べている。
最終的に誰でも使えるようになれば、これまで月額1,000円以上かかっていた有料デスクトップ版に限られていた編集機能に、無料のアドビアカウントだけでアクセスできるようになる。無料で使える範囲には、調整レイヤー、リサイズツール、マスク作成、修正ブラシなどが含まれる。
ただし、一部の機能は有料サブスクリプションによってアンロックされる見込みだ。The Vergeは、Adobeの目標は、より高度なプレミアムオプションと一緒に無料の編集機能を提供することで、無料のPhotoshopユーザーを有料プランに誘引することにあるようだと指摘している。
昨年秋、AdobeはPhotoshopのWeb版を発売したが、デスクトップアプリに比べると機能は貧弱な物だった。このツールは、Webブラウザを通じてファイルを共有し、コメントをつけるという機能と、限られた編集機能を搭載した、主にコラボレーションを目的としたものだった。
Adobeの今回の動きが、より多くの人々をウェブベースのPhotoshopに誘い込み、有料会員にすることができるのかどうか、興味深いところだ。
コメントを残す