先週、NVIDIAは、GeForce RTX 4000シリーズグラフィックスカード専用の最新のアップスケーリングおよびパフォーマンスブーストテクノロジーであるDLSS 3を発表した。DLSS 3と以前のバージョンの技術の大きな違いは、高解像度でのフレームレンダリングの作業負荷を軽減するだけではなく、新しいフレームを生成してゲームのパフォーマンスを向上させるのだ。
実際にNVIDIAが述べたようなパフォーマンスの向上が見られるのか懐疑的な意見も散見されたが、今回、Digital Foundryの技術責任者が、『Marvel’s Spider-Man』、『Cyberpunk 2077』、『Portal RTX』でこの技術を実際に試してみた。そして、その結果は非常に印象的なものとなっている。詳細は、以下のビデオから確認することが可能だ。
まず、Digital Foundryによると、新しいDLSS-3対応GPUを持っている場合、Spider-Manで利用できる設定画面は以下のようになるようだ。基本的には、DLSS 2 GPUで得られるアップスケーリング品質オプションと同じだが、フレーム生成の項目が追加されており、ここでオンオフが設定出来る。ここでフレーム生成をオンにすると、NVIDIAのReflexレイテンシ低減技術がデフォルトでオンになる。これが重要になる理由は後述する。
DLSS 3のパフォーマンスについては、Digital Foundryはまだ実際のフレーム/秒のデータを共有することが許可されていないが、アップスケーリングなしの設定でRTX 4090でネイティブ動作させたそれぞれのゲームのパフォーマンスと、DLSS 3をオンにして同じカードで動作させたそれぞれのゲームのパフォーマンスとを比較することは出来た。結果は非常に印象的なものだ。Spidermanは約2倍、Cyberpunk 2077は約3倍、Portal RTXはネイティブの5倍の性能を発揮したのだ。Digital Foundryは、この結果はややCPUに依存するもので、スパイダーマンのようなオープンワールドのタイトルよりも、ポータルのようなゲームの方が良い結果を得られるかもしれないと推測している。フレーム生成の実際の品質については、100%完璧というわけではないが、Adobe After Effectsのような既存の技術よりもかなり優れているとのことだ。
だが、ここで気になるのがレイテンシだ。ゲームに余分なフレームを追加すると、当然ながらレイテンシが増加する。ここで活躍するのがNVIDIA Reflexだ。たとえば、Portal RTXでは、DLSS 3のレイテンシは56msで、DLSS 2の53msよりわずかに高いだけで、ネイティブレイテンシの95msよりはるかに優れている。Cyberpunk 2077では、DLSS 3の遅延は54msで、DLSS 2の31msとは少し差があるが、それでもネイティブの遅延62msを下回っている。つまり、DLSS 3はDLSS 2ほどレスポンスがよくないが、ネイティブよりはまだマシとなり、全体として大きな問題にはならないだろう。
コメントを残す