Video Electronics Standards Association(VESA)は、デュアルモードモニターを含む可変リフレッシュレート・ディスプレイに対応する新しいディスプレイ規格「Adaptive-Sync Display v1.1a」規格を発表した。この新しい規格は、1.1規格を基に構築されており、認証されたデュアルモードモニターがネイティブ解像度および高リフレッシュレートモードで高品質な体験を提供することを保証する。
「デュアルモード」は、正式な規格ではなく、ゲーミングモニターの新たな機能トレンドを示すものだ。その名が示すように、「デュアルモード」対応モニターは、1つのディスプレイで解像度を優先するモードと、解像度を抑えつつ高リフレッシュレートを実現する2つの動作が可能となる。最近まで、ほとんどのディスプレイはデュアルモードのリフレッシュ・レートを備えていなかった。ユーザーは、高性能ゲームに適した高リフレッシュレート対応のモニターか、コンテンツ制作用の高解像度モニターのどちらかを選択しなければならなかった。だが新たなデュアルモード対応モニターはこの状況を変える物だ。例として、ASUSの「ROG SWIFT PG32UCDP OLED」は、FHD解像度で480Hzの動作が可能なモードと、4K解像度で240Hzが可能な2つのモードを備えている。
Adaptive-Sync Display v1.1a認証には、デュアルモードモニターの新しいテスト基準と、新しい能力を反映する新しいAdaptive-Syncロゴが含まれている。下記の表示例はVESAが、テストされたモニターが144Hzのリフレッシュレートで4K/2160P解像度、または280HzでFullHD/1080P解像度で動作できることを示す例である。
デュアルモード・サポートに認定されたモニターは、基本的なAdaptive-Sync Displayプログラムに含まれるすべてのテストに合格する必要がある。標準的な要件には、高いリフレッシュレートレベル、ちらつきのない体験、グレーからグレーへの速い応答時間などが含まれる。
デュアルモードモニターは、最大ピクセル解像度で最低144Hzのリフレッシュを含む、両方の解像度でこれらの同じ品質レベルを満たす必要がある。最大リフレッシュレートモードの最小垂直解像度は1080pだ。
VESA規格に追加された注目すべき仕様の1つは、ディスプレイのオーバークロック対応だ。同協会が設定した基準を満たすには、製品はデフォルト・モードで以前のコンプライアンス・テストに合格しなければならない。その後、オーバークロック・モードでの再テストを行い、その機能を評価することができる。製品は、Adaptive-Sync対応GPUを非独占的な方法でサポートしなければならない。不必要な余分なステップのように思えるかもしれないが、オーバークロックは、特にハードウェアとソフトウェアの両方が複雑化し続ける中で、より多くのゲーマーが検討していることである。このため、今後より多くのメーカーが更新されたVESA規格を念頭に置いていると考えても過言ではないだろう。
ディスプレイ・メーカーのLGは、CESで初のv1.1aモニターを発表する。LG 32GS95UE OLEDゲーミングモニターは、デュアルモードをサポートする。VESA認証ロゴは、この新しいディスプレイが「ストーリー重視」のゲームをUHD@240Hzで表示したり、速いペースの体験(FPS、MOBA、レース)をFHD@480Hzで表示できることをゲーマーに訴求することができる。一方、Asusは、LGのデュアルモードモデルと同じパネルを採用したROG Swift PG32UCDPディスプレイを発表する。同じ4K@240Hzと1080p@480Hzのモードを提供する。
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