アメリカの特許調査会社IFI CLAIMS Patent Servicesが、2021年にアメリカで認められた特許数のランキングを発表し、Appleは2020年から1つ順位が上がって、7位にランクインしたことが分かりました。
IFI CLAIMS Patent Services : 2021 Top 50 US Patent Assignees
特許を見ればその企業がどこに力を注いでいるのかが分かる
Appleは2020年の特許取得数から250件減って、2021年は2,541件の特許を取得しました。
上位を見てみると、1位はIBMです。それも2011年からずっと1位と言うことです。かつてのIT分野の巨人で、今は収益や時価総額の点でGAFAMに大きく水をあけられている状態ですが、やはり基礎研究の分野ではまだまだ影響力を誇示していますね。2位もずっとSamsungです。この2社は3位以下の企業に比べて圧倒的に特許取得数が多いですね。
もちろん、特許は数だけではなく、質が重要なのは言うまでもないかと思いますが、ただ件数についても少なくとも企業がどの分野に関心を持って取り組んでいるのか、どれだけのアイデアを試そうとしているのかを見てとれる1つの指標として価値があるのではないでしょうか。
- International Business Machines Corp.
- Samsung Electronics Co. Ltd.
- Canon Inc.
- Taiwan Semiconductor Manufacturing Co. TSMC Ltd.
- Huawei Technologies Co. Ltd.
- Intel Corp.
- Apple Inc.
- LG Electronics Inc.
- Microsoft Technology Licensing LLC
- Qualcomm Inc.
2021年に特許が伸びた分野
レポートの中で、最も特許の取得件数が伸びている分野は、CPC分類で「G06N」とされる分野で、機械学習、深層学習、量子コンピューター、生物学的モデルに基づくコンピューターシステムなどとなっており、IBM、Google、Samsung、Microsoft、Intelなどのビッグテックが活発に研究を行っていることが見て取れます。
逆に件数が減ってきているのは、CPC分類で「Y02E」とされる分野で、温室効果ガス削減などのグリーンエネルギーに関する技術が減ってきています。
中国の台頭が進んで来ている
IFIグローバル250ランキングも同時に発表されました。
2021 Global 250にランクインした企業を、拠点とする国と地域で分類したところ、1位がアメリカ(70社)、2位が日本(51社)、3位が中国(46社)になっています。
また、2021 Global 250のトップ10にランクインした企業のうち中国企業は6社ですが、アメリカ企業は1社のみになっています。全世界の特許総数の3分の1、29%を中国が保有しており、以下、アメリカ(24%)、日本(19%)の順に並びます。質を見ると、米国と日本の特許ポートフォリオは成熟していますが、中国が知的財産に真剣に取り組む姿勢を見せてきていることが見て取れるとのことです。
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