Appleが独自モデムの製造を計画しているが、それが長年叶わずに現在もQualcommと切っては切れない関係でいることが度々報じられているが、そんなAppleが最新iPhoneモデルにおいてQualcommのの最新モデムである「Snapdragon X70」モデムを搭載し、皮肉なことにA17 Proでは果たせなかった省電力化と高性能化の両立が図られている事が、分解により明らかになった。
Appleはこれまで、iPhone 14 ProのロジックボードをiPhone 15の標準モデルに流用しているもの推測されていた。しかし、同社は「Pro」モデルだけでなく標準モデルのロジックボードも再設計し、QualcommのX70モデムを採用したようだ。昨年は、iPhone 14の全ラインナップにQualcommのX65モデムが採用されていたが、AppleはAチップでの差別化は行っているが、モデムについては全ラインナップで統一する傾向にあるようだ。
このニュースはiFixitのShahram Mokhtari氏がXでシェアしたもので、iPhone 15シリーズにはQualcommのX70モデムが搭載されていることが示されている。
Snapdragon X70モデムは、最大10Gbpsの5G接続によるダウンロード速度を実現し、最大3.5Gbpsでのアップロードにも対応しているという。また、アダプティブアンテナは、AIを使用して自身を微調整し、送信パスと受信パスを最適化して、消費電力を削減し、省電力化に貢献するとしている。
iPhone 15では、このモデムにより、昨年のモデルよりも5G性能が最大24%向上しているほどだ。
Appleは現在、Qualcommへの依存度を下げるため、iPhone用の自社製モデムの開発を進めている。Appleは外注方式から転換し、自社でしか使えない技術を開発しようとしているようだ。この傾向はAppleシリコンの発売から始まった。同社は徐々に、MacのラインナップにIntelベースのチップからシフトし、カスタム設計のSoCを採用した。現在、Macのほぼ全ラインナップがインテルベースのチップからMシリーズ・プロセッサーに移行している。
これ以外にも、同社はカスタムmicroLEDディスプレイにも取り組んでいる。現在のところ、AppleはLTPO OLEDパネルの供給をSamsungに依存している。同社は2025年にApple Watch Ultraの新モデルを発表し、microLEDスクリーンの採用を開始すると以前報じられた。このディスプレイ技術は、徐々にiPhone、iPad、そしてMacへと移行していくだろう。
iPhone 15 Proに搭載されたQualcommのX70モデムも、昨年のX65に比べて電力効率が向上している。A17 Proチップと組み合わせることで、X70モデムはバッテリー駆動時間を向上させる余地が生まれる。Qualcommは以前、Appleが少なくとも2026年までは同社の5Gモデムを使用すると発表しており、両社の関係は当面の間継続するようだ。
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