先日、Intelがこれまでの有機材料に代わってガラスコア基板によるマイクロチップの製造に関するブレークスルーを報告していたが、こうしたマイクロチップ製造で素材の変更による更なる技術革新が今後は注目されそうだ。
The Wall Street Journalの報道によると、Diamond Foundryと言う、アメリカ・カリフォルニアに本社を持つラボグロウンダイヤモンド企業はシリコンマイクロチップ用の合成ダイヤモンドウェハーを製造している。
なぜダイヤモンドを用いるのかという点だが、単結晶ダイヤモンドは桁違いの熱伝導性を有しているのだ。これにより、チップをより速く動作させ、より長く使用できるようになる。
同社はオングストローム精度で薄くした集積回路(IC)ウェハーにダイヤモンドを原子レベルで接合することで、究極のサーマルチップ・パッケージを実現しているとのことだ。
このダイヤモンドチップの定格速度は、従来の少なくとも2倍の速さで動作する可能性があるという。
実際、未公開のハイエンドNVIDIA GPUに対するラボテストでは、標準的な製造材料を使用した通常のチップの3倍のパフォーマンスが報告されているようだ。
これ自体は有望な結果ではあるが、Diamond Foundryが将来的にダイヤモンドベースのチップを提供する唯一の企業であるわけではない。WSJは、CoherentやElement Sixなど、より合成しやすいヒ化ホウ素などによるウェハーを提供する他の企業も紹介している。Element Sixはさらに大きなダイヤモンドも提供しているという。
WSJは、Sun Microsystemsの共同創設者であるAndy Bechtolsheimの発言を以下のように引用している:
「いつの日か、コンピューター内部のマイクロチップは、高速通信用のガラスを上部に、処理用のシリコン層を真ん中に3次元的に積み重ね、熱を逃がすためにダイヤモンド・ウェハーを下部に配置した、きらびやかでありえないサンドイッチで構成されるようになるかもしれない」とBechtolsheimは言う。
ハードウェア製造の次の大きな転換点が近づいているのかも知れない。
Sources
- The Wall Street Journal: One of the World’s Biggest Diamonds Could Be Key to Some of the World’s Fastest Microchips
- via The Verge
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