テスラが発表した2022年第2四半期の完全な財務報告書により、同社がインフレと経済全体の低迷に加え、ビットコインやその他の暗号通貨の価格急落に対処していることが明らかとなった。投資家への手紙の中で、テスラの幹部は、同社が保有するビットコインの75%を売却し、バランスシートに9億3600万ドルの現金を追加したことを明らかにしている。
- Tesla : Q2 2022 Financial Report(PDF)
- Tesla(YouTubeチャンネル) : Tesla Q2 2022 Financial Results and Q&A Webcast
昨年、テスラはビットコインに15億ドルの投資を行い、ビットコインでの支払いを受け入れることを発表していた。同社は3月下旬にビットコインの受け入れを開始したが、わずか49日後の5月に突然、撤回している。
最新の報告書では、テスラは残りの「デジタル資産」の価値を2億1800万ドルとしているが、これまでの四半期では約12億ドルと報告していた。
毎日新しい競合他社が発表されているような電気自動車と太陽電池製品の製造事業に関して言えば、今四半期の利益は22億6000万ドルで、33億ドルの利益を計上した前四半期から約31%減少したと報告されている。この利益は169億ドルの売上で得られたもので、187億ドルの売上を計上した第1四半期から減少している。
収益性という点では、119億ドルの収益で11億ドルを稼いだ2021年第2四半期よりもまだましな水準にある。同社はその要因として、「株式ベースの報酬費用の減少」「昨年と比較しての車両納入台数の増加」「平均販売価格の改善」などを挙げている。テスラは全車両の価格を10%も引き上げて以来、これが最初の完全な四半期となり、6月には一部のモデルで再び値上げを行っている。値上げにもかかわらず、同社は四半期ごとに自動車1台あたりの収益は減少している。第1四半期の自動車総利益率は32.9%だったが、今期は27.9%となっている。
テスラは今月初め、納車台数が減速し、第1四半期に比べて約18%減少したと発表した。また、今期の生産台数は前期比で約15%減少している。テスラは決算報告書の中で、「四半期の大半で上海での限定生産とシャットダウンに直面」したが、ベルリンとテキサス州オースティンの新施設では引き続き生産を増強していると述べている。
その他、原材料から物流にいたるまでの価格上昇、上海での閉鎖による1台あたりの固定費増加、そしてもちろん、前述の “ビットコイン減損 “などの困難が報告されている。
経済的な面以外でも、テスラにとっては大きな激動の四半期だった。4月下旬、イーロン・マスクCEOはTwitterの資金調達のために、同社株を数十億ドル分売却した(この取引を巡ってはその後大混乱に陥り、マスク氏はこの取り決めを取り消そうとしたため現在法廷闘争に発展している)。マスク氏はまた、同社での雇用凍結と解雇を発表する際に、経済について「超悪い予感がしている」と述べたと伝えられている。それらの解雇は自動操縦チームに影響を及ぼし、テスラは500人以上のギガファクトリーの労働者を解雇したとされ、労働法違反で訴えられている。同社はまた、今月初めにAIの責任者を失った。
しかし、悪いニュースばかりではない。テスラとUber、Hertzとの提携は、資格を持ったライドシェアドライバーがEVを借りて乗客を運ぶというもので、6月のUberからの報告によると、うまくいっているようだ。また、ホワイトハウスが発表したファクトシートによると、2022年にはテスラ以外のEVが米国内のスーパーチャージャーネットワークにアクセスできるようになる模様だ。
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