今年3月に、AppleがMac StudioとStudio Displayを発表したときに、同時にひっそりと発売されたのが最大40Gbpsのデータ転送と最大100Wの給電が可能な新しいThunderbolt 4 Proケーブルだった。そしてそのスペックと共に驚かされたのは、15,800円というその価格だ。
公式サイトでは、1.8mと3mが販売されており、それぞれ15,800円と17,800円となっているが、果たしてこの価格はなぜなのか?Appleのブランド料ではないかなどの憶測も流れたが、今回ChargerLABが同製品を分解し、構造を解説した動画を公開したことで、その価格の理由が明らかになった。
AppleのThunderbolt 4 Proケーブルは、絡まらずに巻ける編組デザインが特徴となっており、断線しにくく、耐久性が向上している。直径は5mmでパッと見た感じ、普通のケーブルに見えるが、分解し、その内側を覗くことで、このケーブルに使われている高度なテクノロジーが明らかになった。
ChargerLABが動画内で示しているように、このケーブルは、内部に19本のワイヤーを持つ同軸ケーブルとなっている。ケーブルは、防水・防塵の織物層で保護されており、布地の下には、熱可塑性エラストマー素材(TPE)でできた別の保護層があり、更にその下にはシールド用の薄い金属箔の層があるという、三重構造になっている
19本の配線のうち、電源供給用の錫メッキ銅線が5本ある。動画では、ほとんどの線が銀メッキと純銅メッキであることに注目している。また、USB2.0の伝送に使用される白いプラスチックで覆われた2本の線も存在している。(ケーブルはThunderbolt 3と通常のUSBとの後方互換性がある)。
黒い硬質プラスチックと真鍮製のスリーブで保護されたコネクター内部には、複数の高度な部品が搭載されている。ここで注目すべきは、Thunderboltの接続を管理し、信号のジッターを低減する信号再構成器として機能するIntelのチップだ。そして各コネクターには24本のピンがあり、そのすべてに金メッキが施されている。
ChargerLABは、AppleのThunderbolt 4 Proケーブルは、信号伝送を安定させるライセンス取得済みのIntelチップはもちろん、耐久性が高く干渉の影響を受けにくい高級素材がふんだんに使われており、素晴らしい品質であると評価している。
一般ユーザーにとっては、その価格と、サードパーティー製でもっと安価な物(Ankerなどからも出ている)が存在するため、あまりオススメは出来ないだろう。
ただし、常に大容量のデータを転送するプロフェッショナルにとっては、このクラスで最高のケーブルであると、ChargerLABは述べている。実際に使ってみればその素晴らしさが実感出来るとのことだ。
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