元NASAのエンジニア、Mark Rober(マーク・ロバー)氏は、できるだけ高いところから安全に卵を投げたいと考えていた。どんどん高い所を目指した結果、彼は宇宙から卵を投げることにし、その様子をビデオに収め公開している。
- Interesing Engineering: Watch: Former NASA engineer drops an egg from space without a crack
彼はこのビデオによると、方法はこうだ。ロケットの前に卵を固定し、そのロケットを気象観測気球に取り付けて宇宙へ行く。気球がロケットを放ち、ロケットは音速を破って地球に向かって加速しながら落下していく。
さらに、ロケット(とは言っても推進剤は付いていない)の背面にある4枚のフィンが、地球上のマットレスに着陸するために適切な位置でロケットをかき回す。この高い目標を達成するために、Rober氏と彼のエンジニア仲間は、問題を小さなステップに分解した。まず、卵が地上に落下するときの最終的な速度を計算することから始めた結果、時速120kmに達することが明らかになった。
そして、その速度でマットレスにぶつけたときに卵が割れるかどうか、一連のテストを行った。その結果、卵が計算上の速度より速い速度で移動しても、マットレスが卵を守ってくれることがわかった。
そこで、小さな町の畑の真ん中に、卵が宇宙から戻ってきたときに受け止めるためのターゲット・マットレス・エリアを作ることにした。卵の着地位置の計算誤差を考慮し、1枚のマットレスよりかなり大きな面積を確保した。
Rober氏は、ロケット作りのエキスパートであるBPS.SpaceのJoe氏と一緒に、全くの独学でロケットの製作に取り組んだ。彼が考慮すべきことは、卵の周囲の温度にも及んだ。高度が上がるに連れ温度は急激に下がり、最終的には卵が凍ってしまう。これでは彼の考える“生の卵”を安全に落下させる実験にはほど遠い。そこで彼は、卵が宇宙で凍結しないように、卵の周囲にいくつかの発熱体を追加する作業を進めた。ちなみにこの発熱装置は、卵が地球に着陸する前に落ちるように設計されている。
技術的に真の宇宙空間ではなく、30kmの高さでしか卵を切り離せなかったことは残念だとのことだが、実験は素晴らしいものだ。
ちなみに彼はすでに2つのギネス記録を持っている。1つは象の歯磨き粉の噴水の高さ、もう1つは1時間で最も多くのドミノを設置し倒した記録だ。彼の今回の実験も好評なようで、既に再生回数2,000万回を超えている。
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