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小泉○次郎氏のように、「今のままではいけないと思います。だからこそ日本は今のままではいけないと思っている」というのはさすがに誰でも意味のないことを言っていることはすぐに分かると思うが、意味のない文章に深い意味があると勘違いする人は、自分自身の認知能力、特に創造的能力に関して判断力に欠ける傾向があることが、『Thinking & Reasoning』誌に発表された新しい研究により明らかになった。この研究は、デタラメになりやすいことがメタ認知判断の障害に関係しているという新しい証拠を示している。

この研究の著者であり、ユニオンカレッジのTim George客員助教授は、この研究の概要をこう説明してる「例えば『全体性は無限の現象を静める』という文章を考えてみましょう。一見すると、この文は実に深いものに見えるかも知れません。ヨガの先生やヒッピーのおじさんが言っているのを想像できるでしょう。しかし、立ち止まってよく考えてみると、この言葉の羅列は実際には何の意味も伝えていない、つまりデタラメなのです。デタラメという概念ー深遠で重要なように見えるが、実は無意味な言葉ーは、私たちの周りにあるものなので、興味深いですし、最近の研究では、ある人は他の人よりデタラメに意味を見出しやすいということが分かっています。」

「このことから、私たちは考えました:デタラメに意味を見出す人は、問題解決やアイデアを生み出す能力にも自信を持つ傾向があるのでしょうか?デタラメに意味を見出すことと、創造的な問題を解決することには、いくつかの類似点があると考えました。だから、デタラメな発言に意味があると信じている人は、困難な創造的問題を解決する能力を判断するときに、同じような錯覚を経験するのかもしれないと考えたのです。」

George氏と彼の同僚であるMarta K. Mielicki氏は、デタラメ感受性とメタ認知判断の関係を調べるために、2つの別々の研究を行っている。

まず最初の研究では、100人の参加者がさまざまな文章を読み、それぞれの文章がどの程度深いと思うかを評価してもらうものだ。文章には、例として「未来は非合理的な事実を説明する」というデタラメなものと、「濡れた人は雨を恐れない」という意味のあるものが混ざっていた。その後、創造力について2つの評価を行った。

創造力を評価する方法の1つめは、参加者は与えられた3つの単語を見て、その全てに関連する4つめの単語を考え出すテストを12回行う物だ。12回のうち6つのテストは解答可能であったが、6つは解答不可能であった。また、創造力を評価する方法の2つめは、参加者は、2分間で車のタイヤの新しい使い方をできるだけ多く考えてもらうという物だ。これらのテストについて、3人の独立した審査員によって、アイデアの創造性が評価されまた。なお、各課題に挑戦する前に、参加者は自分がどの程度うまくいくと思うかを予想するように言われている。

2つ目の研究では、100名の参加者が同様の方法で、創造性タスクの代わりに、言語による類推問題と記憶想起能力の評価を実施した。

「我々は、デタラメに意味を見出す人々は、デタラメに意味を見出さなかった人々に比べて、これらの創造的思考タスクを完了する能力に対して過信する傾向があることを発見した」とGeorge氏はPsyPostに語っている。「デタラメを深いと思っている人は、これらの問題で成功すると最初に予測した時に高い自信を示す傾向があっただけでなく、デタラメを深いと思っていない人よりも実際に問題で悪い結果を出したのです。興味深いことに、このパターンは、より単純な記憶を呼び起こすタスクとは対照的に、創造的な問題を解くタスクで最も明らかでした。」

しかし、どんな研究にも当てはまるが、この新しい研究には、いくつかの注意点がある。

「我々の研究は、デタラメに対する感受性と、ある種のタスクにおける過信との間の関連性を示唆していますが、この関連性がなぜ存在し得るのかについての良い説明はまだありません。この研究は相関的なものなので(誰かがでたらめ感受性の高いか低いかを操作していない)、デタラメ感受性と創造的問題解決への自信は、直感への過信など、我々が考慮していない他の要因に両方関係している可能性もあります。」とのことだ。

これまでの研究で、デタラメに敏感な人は、アポフェニア(存在しないところにパターンや因果関係を見出す傾向)の兆候も高くなる傾向があることが分かっている。

「この研究は、メタ認知(基本的に思考について考えることを意味する用語)についての我々の知識を追加するものです。私たちが物事を学び、記憶する能力について考えるとき、それはメタ認知です。私たちのメタ認知は、時に不正確であることが判明しました。私たちは、将来の記憶能力や問題解決能力などを誤って評価しているのです」と、George氏は述べている。

「この研究が示唆しているのは、私たちが自分の認知をうまく判断できない要因は、私たちが意味やパターンをうまく判断できない要因と同じかもしれない、ということです。おそらく、人々を反省的または分析的アプローチに誘導することで、過信を減らし、意味評価や問題解決をより正確に行うことができるようになるかもしれません。」

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