世界最大級の音楽ストリーミングサービスSpotifyは、現在、前年同期比22%の成長を遂げ、ついに月間アクティブユーザー数が5億人を突破したことを明らかにした。現在同社サービスの月間アクティブユーザー数は5億1,500万人となり、本日発表した同社の2023年第1四半期の業績報告で、2018年に上場して以来、最も好調な第1四半期であったと述べている。ユーザー数の増加は、同社予想を1,500万人上回ったとの事だ。
プレミアムユーザーは、Spotifyは現在2億1,000万人の有料会員を抱え、前年比15%増となっている。加入者数の増加により、同社の総収入は14%増の30億ユーロ(4,400億円)に達したという。
しかし、この数字は、同社が行ったマーケティング費用の削減を含むコスト削減と表裏一体となっている。Spotifyは今年初め、従業員の6%をレイオフすることも確認している。
Spotifyが5億人を超えるユーザーベースを報告したのは今回が初めてで、それぞれ2億1,000万人のプレミアム加入者、3億1,700万人の広告付きプランとなる。しかし、これは有料リスナーと無料リスナーの比率が40%であることを表しており、その比率は悪化しているようにも思われる。
ちなみに、Spotifyのプレミアムユーザー数は、2019年第1四半期にはユーザー全体の46%を占めていたが、2020年第1四半期には45%、2021年第1四半期には44%、昨年第1四半期には43%と低下し、前四半期には42%弱まで低下しているのだ。
プレミアムリスナーと無料リスナーの比率が四半期ごとに2ポイント低下していることは、大きな意味を持つだろう。Spotifyの広告付きユーザベースがプレミアムユーザを上回っていることは明らかであり、おそらく景気後退による消費者のコスト削減が原因であると思われる。
しかし、これは広告による収入には結びついていない。Spotifyの数字によると、広告からの収入は前年同期比で17%増加したものの、実際には前四半期比で27%減少し、総収入は4%減少した(前年同期比では14%増加したが)。
同社は、“広告事業におけるマクロ関連の変動”のため、収益の伸びが予想を下回ったことを認めた。
しかし、Spotifyは、MAUがガイダンスの1,500万人に対し、全体で2,600万人増加したことを強調し、同社の第1四半期としては唯一最大の純増であり、史上2番目に大きな四半期成長であることを強く強調している。
本稿執筆時点では、Spotify株はオープンから5.19%上昇し、1株あたり138ドルで取引されている。これは、同社が報告したユーザー数の伸びに対して、投資家が好意的に反応していることを示唆している。
Source
コメントを残す