世界初となるタコ養殖場の建設に科学者が懸念を表明

masapoco
投稿日 2023年3月17日 10:13
octopus

スペインのカナリア諸島に史上初のタコ養殖場を建設する計画が立案されているが、専門家の中には、海の知的生物であるタコの福祉的な側面や、冷たい水の中で殺すという方法を非人道的と考える人もおり、論争を呼んでいる。このプロジェクトを担当するスペインの多国籍企業は、タコへの危害について、問題ないとして反論している。

BBCが入手した私的文書によると、この農場では毎年100万匹以上のタコが食用として飼育されることになるようだ。

抗議団体Eurogroup for Animalsは、養殖を計画しているNueva Pescanova社からの民間計画提案書類をBBCに提供した。カナリア諸島漁業総局は、Nueva Pescanova社からの提案書を受け取った。

Nueva Pescanova社の提案によれば、暗闇を好み、蒸れることを嫌う生物であるタコは、他のタコと一緒に水槽で飼育され、時には絶えず光を浴びることになるという。

グラン・カナリア島ラス・パルマス港の2階建て構造物に、約1,000個のコミュニティタンクでマダコを飼育することになるそうだ。

BBCの報道によると、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスのJonathan Birch准教授がコーディネートした300以上の科学的研究の分析により、タコは痛みと喜びの両方を経験することが証明されたとのことだ。

英国の動物福祉(感覚)法2022では、タコは「感覚を持つ生物」として認められている。Birch教授と共著者は、高福祉のタコ養殖は “不可能”であり、氷のスラリーで殺すことは「研究室で受け入れられる死の形ではないだろう」と考えているという。

「大量のタコは、決して近接して一緒に飼育してはいけません。これをすると、ストレス、衝突、高い死亡率につながります…10~15%の死亡率という数字は、どんな種類の養殖でも受け入れられるものではないはずです」

一方、Nueva Pescanova社は、「当社の養殖場におけるタコやその他の動物の生産に必要な福祉のレベルは、動物の正しい取り扱いを保証するものです。屠殺も同様に、動物に痛みや苦痛を与えないような適切な取り扱いを行っています…」とBBCに声明を発表している。

Nueva Pescanova社によると、「バリューチェーン全体で倫理的で持続可能なパフォーマンスを促進し、ベストプラクティスが適用されるように膨大な努力が払われている」とBBCに強調しているとしている。


Source



      この記事が面白かったら是非シェアをお願いします!


      • bible
        次の記事

        進化したAIを崇める新たな宗教が生まれるかもしれない

        2023年3月17日 10:31
      • 前の記事

        NASAの新しい衛星が、危険な大気汚染物質をかつてないほど詳細に追跡する

        2023年3月17日 7:05
        is40 tempo 071 016 satr 2

      スポンサーリンク


      この記事を書いた人
      masapoco

      コメントを残す

      メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


      おすすめ記事

      • ひまわりにヒントを得た都市計画が太陽エネルギー利用を最大化する

      • b6be93e86947a9e76001069ffb1fcfa9

        私たちの体内で発見されたウイルスのような”生物学的実体”である「オベリスク」を専門家が解説

      • file 20231206 15 lq4hvc

        かつて中国南部を闊歩していた巨大な「猿の王」の絶滅の謎が解かれた

      • b483b2a1ac7565040ebba10779bb24b9

        “男性は女性の涙に弱い”事が科学的に正しいことが判明

      • suicide

        血液検査によって自殺願望のある人を事前に特定することが出来るようになるかも知れない

      今読まれている記事