スペインのカナリア諸島に史上初のタコ養殖場を建設する計画が立案されているが、専門家の中には、海の知的生物であるタコの福祉的な側面や、冷たい水の中で殺すという方法を非人道的と考える人もおり、論争を呼んでいる。このプロジェクトを担当するスペインの多国籍企業は、タコへの危害について、問題ないとして反論している。
BBCが入手した私的文書によると、この農場では毎年100万匹以上のタコが食用として飼育されることになるようだ。
抗議団体Eurogroup for Animalsは、養殖を計画しているNueva Pescanova社からの民間計画提案書類をBBCに提供した。カナリア諸島漁業総局は、Nueva Pescanova社からの提案書を受け取った。
Nueva Pescanova社の提案によれば、暗闇を好み、蒸れることを嫌う生物であるタコは、他のタコと一緒に水槽で飼育され、時には絶えず光を浴びることになるという。
グラン・カナリア島ラス・パルマス港の2階建て構造物に、約1,000個のコミュニティタンクでマダコを飼育することになるそうだ。
BBCの報道によると、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスのJonathan Birch准教授がコーディネートした300以上の科学的研究の分析により、タコは痛みと喜びの両方を経験することが証明されたとのことだ。
英国の動物福祉(感覚)法2022では、タコは「感覚を持つ生物」として認められている。Birch教授と共著者は、高福祉のタコ養殖は “不可能”であり、氷のスラリーで殺すことは「研究室で受け入れられる死の形ではないだろう」と考えているという。
「大量のタコは、決して近接して一緒に飼育してはいけません。これをすると、ストレス、衝突、高い死亡率につながります…10~15%の死亡率という数字は、どんな種類の養殖でも受け入れられるものではないはずです」
一方、Nueva Pescanova社は、「当社の養殖場におけるタコやその他の動物の生産に必要な福祉のレベルは、動物の正しい取り扱いを保証するものです。屠殺も同様に、動物に痛みや苦痛を与えないような適切な取り扱いを行っています…」とBBCに声明を発表している。
Nueva Pescanova社によると、「バリューチェーン全体で倫理的で持続可能なパフォーマンスを促進し、ベストプラクティスが適用されるように膨大な努力が払われている」とBBCに強調しているとしている。
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