Samsungは来年発売するとされるGalaxy S23シリーズで、これまでとは異なり、自社製チップを一切用いることがなく、全てQualcomm製のSnapdragonチップになるが、この理由について、これがSamsung社内の内部抗争による物であるとの情報が報じられた。
会社のトップは『問題の根本的な原因』を把握できていない
一昔前は、半導体市場で圧倒的な地位を保っていたSamsungだが、最近はその支配力の低下が著しく、投資家はこの点を懸念しているが、これが外的な他社との競争という外的な要因だけではなく、内部の問題によるものであると報じられている。
News NCRによると、ヘッジファンドのPetra Capital ManagementとDalton Investmentsとともに、投資家がSamsungの柔軟性に欠ける会社の伝統に関して懸念を表明したとのことだ。特にSamsungの副会長であり、事実上の最高経営責任者であるLee Jae-yong氏について、その資質に疑問を抱く発言もしているとのことだ。ソウルに本社を置くPetra Capital Managementのマネージング・アソシエイトであるChan Lee氏は、特にExynos部門でイノベーションに注力すべきところ、より早い成長と財務的リターンを優先して、正反対のことが起きていると述べている。
自社製チップの設計には創造性と技術力が必要だが、Samsungのリスク回避文化はLee Jae-yongの指導下で深化し、エンジニアはイノベーションへの新たな試みを避けている。
Samsungのある若手エンジニアは4月に経営陣に手紙を書いたとされ、Samsungの研究者は「不可能な」目標を達成することを課される一方で、有害な職場文化に対処していると説明している。Financial Timesによると、匿名の従業員からの発言として、Samsungのトップマネジメントが事態の深刻さを把握できていないとも述べている。
トップの意思決定者が問題の根本的な原因を把握できていないようだ。危機的状況という話は結構聞くが、今この瞬間は今まで以上に危険だと思う。
そして、Samsungのチップセット部門がExynosの開発を続けようと苦労している間、同社の他の部門が非難している。
ある報道では、Samsungのモバイル部門のトップが独自のExynosチップセットの開発について語ったが、別の報道では、同社が「共同タスクフォース」を立ち上げ、近い将来、Exynosを超える新たなチップを開発する事を発表していた。
残念ながら現時点では、同社が山場を迎えていることに変わりはなく、12カ月の空白期間が見込まれるため、QualcommとMediaTekがフラッグシップスマートフォンのSoCで大きくリードすることになる。ただし、Samsungの企業規模ならば、この内部問題が解決し、すべての役員と従業員がこの小さなハードルを回避することができれば、挽回することも難しくはないだろう。
また、同社は最近、3nm技術によるチップ製造を開始している。この歩留まりを高めることができれば、「再び顧客を呼び込むチャンスはまだある」と市場関係者は見ている。投資家は、当面はTSMCだけに頼るリスクを負いたくない企業があることも、Samsungの立場を後押ししているという。これはこれで明るい話題だろう。
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