Samsungは、世界初の32Gb DDR5 DRAMダイを発表した。この新しいメモリ・ダイは、同社の12nmクラスのDRAM製造プロセスで製造され、密度が向上するだけでなく、消費電力も低減している。このチップにより、Samsungはサーバー向けに記録的な1TBのRDIMMを製造できるようになり、大容量メモリモジュールのコストも下げることができる。
Samsung ElectronicsのDRAMプロダクト&テクノロジー担当エグゼクティブ・バイスプレジデントであるSangJoon Hwang氏は、「当社の12nmクラス32Gb DRAMにより、当社は最大1TBのDRAMモジュールを実現するソリューションを確保しました」と、述べている。
32ギガバイトのメモリ・ダイにより、Samsungは8個のシングル・ダイ・メモリ・チップだけでクライアントPC向けの通常のシングルランク32ギガバイト・モジュールを製造できるだけでなく、これまで不可能だった大容量DIMM、32ギガバイトのメモリ・デバイス8枚をベースにした8-Hi 3DSメモリ・スタック40枚を使用した1テラバイトのメモリ・モジュールも可能になる。このようなモジュールは過剰に聞こえるかもしれないが、人工知能(AI)、ビッグデータ、データベースサーバーでは、より多くのDRAM容量を容易に有効活用できる。将来的には、1TBのRDIMMを使えば、シングルソケットのサーバー(AMDのEPYC 9004プラットフォームなど)で最大12TBのメモリーを搭載できるようになるだろう。
消費電力に関してSamsungは、新しいダイを使用することで、16Gbダイを中心に構築された現行世代のモジュールよりも消費電力が10%少ないサーバー向け128GB DDR5 RDIMMを構築できると述べている。この消費電力の低下は、12nmクラスのDRAM生産ノードと、1つのパッケージに2つの16Gbダイを搭載する3Dスタック(3DS)チップの使用を避けたことによるものだ。
Samsungは32Gbメモリ・ダイの速度ビンを開示していないが、同じ12nmクラスの技術で製造された完成品の16Gbモジュールのデータ転送速度は7200MT/秒である。
Samsungは2023年末までに32Gbメモリ・ダイの量産を開始する意向だが、今のところ、完成したチップをいつ顧客に提供する予定なのか、詳細は明らかにしていない。
また、サーバーの場合、サーバー・プラットフォームの開発者やベンダーが新しいメモリ・コンポーネントを検証し、適格性を確認するには、通常しばらく時間がかかる。そのため、Samsungは将来的に1TB RDIMMを採用するものの、出荷されるサーバーに搭載されるまでには時間がかかるだろう。
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