Qualcommは本日、Snapdragon Summit 2023において、新しいQualcomm S7およびS7 Pro Gen 1オーディオチップセットを発表した。これらの新しいプラットフォームは、これらを使用する新しいイヤホンに大きな改善をもたらすものだ。
Qualcommによれば、この新たなS7及びS7 Pro Gen 1オーディオチップセットでは、アクティブ・ノイズ・キャンセレーションの性能が大幅に向上していると共に、Bluetoothの限界を超えて、より高い接続性と接続距離を確保する新たな機能を導入したという。S7 Proチップセットに限定されている機能となるが、192kHzのロスレス音楽品質を提供しながら、イヤホン、ヘッドホン、またはスピーカーのオーディオ範囲を建物全体または家全体に拡張するという。これはそもそもBluetoothではなく、Wi-Fiにより実現するとのことだ。
オーディオ製品の更なるアップデートを提供する
Qualcommの最新のオーディオチップセットは、以前のバージョンと比べて6倍の計算能力と100倍近いAI能力を誇るという。性能を高めるためにまったく新しいアーキテクチャで製造され、AI性能を強化するための専用マイクロNPU、複数のDSPコア、全体的な性能向上のための300%増加したメモリを搭載している。
この新しいチップセットは、低レイテンシ、マルチチャネル、低消費電力のANCをサポートし、Qualcommのサウンドプラットフォームとしては過去最高のANC性能を提供するとしている。つまり、これらのチップセットを搭載したオーディオデバイスを使用すれば、人通りの多い場所でもANCエクスペリエンスが向上するということだ。例えば、ランニング中にイヤホンの片方が緩んだり、周囲の雑音が急に変化したりした場合に、デバイス上のAIを活用してANCパフォーマンスを動的に適応させる。AIはまた、環境に応じてANCモード間のシームレスな移行を可能にする。
ここで最も印象的な進化は、S7 Proチップセットに搭載された革新的なWi-Fiソリューションだ。このソリューションは、超低消費電力を維持しながら、オーディオデバイスの機能と範囲をこれまでのBluetoothよりもはるかに拡大する。Qualcommは、Wi-Fi接続の専門知識を活用して、Qualcomm XPAN(拡張パーソナル・エリア・ネットワーク・テクノロジー)と呼ぶ技術を開発した。
Snapdragon SoundとXPANは、ロスレス品質で92kHzから最大192kHzの高ビットレートオーディオをWi-Fi経由で配信し、例えばリビングにあるスマートフォンから寝室や場合によっては庭先、ガレージなどへの音楽の配信も可能になる。
Snapdragon Soundは、同社の最新プラットフォームであるモバイル機器向けのSnapdragon 8 Gen 3とPC向けのSnapdragon X Eliteに統合されている。S7またはS7 Proチップセットを搭載したオーディオ・デバイスと組み合わせれば、これまで不可能だったオーディオ体験の新しい現実を目の当たりにすることができるだろう。Qualcommの最新のサウンドプラットフォームを搭載した新しいイヤホン、ヘッドホン、スピーカーは2024年にも市場に登場する事が予想される。
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